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第347回【解説】ベストセラー『タフティ』は”引き寄せ”超えの願望実現メソッドではない!

※ウェブサイト『マジスピ』には音声の文字起こし(読みやすく加筆修正済)があります。

■YouTubeではメモ、資料、スライドなどを映していますが、音声プラットフォームの「ながら聞き」でも十分ご理解いただけると思います。

ウェブサイトでは最下部に音声プレーヤーがあります。倍速再生も可能ですし、YouTubeより通信量も少ないし、スマホを画面オフにしても聴けるので便利です。

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今回の要点と要約文

今回の要点

  • 書籍『タフティ・ザ・プリーステス』は、従来の「引き寄せ」とは一線を画し、現実を「映画」と見立て、役者でなく「監督」の立場から創造する視点を説いている。
  • 私たちは無意識レベルの「刺激と反応」で生きる操り人形(ペーパー人間)になりがちだが、意図と自覚を持つことで「現実創造」の人生に入れるようになる。
  • 人生の台本を「書き換える」という従来の視点から、自分の望む新しい映画を「構築する」こと。既存の現実を変えるのではなく、別の次元を選択するのがタフティの発想。

※要点は以下のショート動画でも語っています

(ここにショート動画が挿入される予定です)

今回の要約文

■【解説】ベストセラー『タフティ』は"引き寄せ"超えの願望実現メソッドではない!■

今回は、数年前からスピ系で話題になっている『タフティ・ザ・プリーステス:世界が変わる現実創造のメソッド』の内容を、私なりの解釈で概要を述べてみます。

この本の謳い文句は「"引き寄せ" を超えるメソッド」ということですが、それは間違いです。

ちょっと読んでいけばわかるはずですが、従来の自己啓発、成功哲学、引き寄せとは違うポジション取りをしています。

確かに従来の自己啓発っぽい表現は結構盛り込まれているんですが、「こうすれば願望は実現しますよ」という断定は避けています。

また凡庸なスピ系にありがちな「ミラクル」や「マジック」など、"幼稚園児" 向けの表現もありません。

おそらく宇宙物理学で言うところの "多次元解釈" をベースに認知科学の知見を取り込んだ、意外と地味な内容です。

ただし独自の造語が結構あることから、かなりとっつきにくい文章です。

またオネエキャラ「巫女タフティ」の上から目線の語り口によって、私もその一人ですが読み進める意欲を削がれてしまいます。

それでも世界的にベストセラーになるのは、独特の語りスタイルが逆に新鮮に映ったこと、著者の元量子物理学者という肩書に期待があったこと、そして「引き寄せ疲れ」の次の受け皿になったという要因が重なったからはないかと思われます。

この本の概要をサクッと言うと、私たちは普段、目の前の現実に翻弄され、嫌なことがあれば怒り、良いことがあれば喜ぶという「刺激と反応」のサイクルの中に閉じ込められています。

タフティの言葉を借りれば、これは「眠っている」状態であり、過去の信念というフィルムに従って動くだけの「ペーパー人間(操り人形)」に過ぎません。

スピ好きの多くが「引き寄せ」に期待するのは、この操り人形の状態のまま「外側の現実だけを都合よく変えること」ですが、「だからアンタはうまくいかないのよ」タフティ姐さんはおっしゃる。

タフティが説く「覚醒」とは、無意識に自分の望まない台本を演じさせられている役者の視点から、人生という映画を俯瞰する「監督」の視点へと次元を高めることです。

現実はフィルム(潜在意識・信念・価値観)が映し出した「スクリーン」であり、そこに映る現象自体を直接コントロールすることはできない。

けれども次に来るコマ、つまり未来のフィルムを自らの「意図」によって「選択」することはできる、というのが本書の主張ですね。

ただし、意図をもって選択したからといって、必ずしもその通りに実現するわけではない、というのは私が解釈したことです。

こういう願望実現本というのは、ある程度の期待やワクワク感を抱かせる内容でないと売れません。

この本は「絶対叶う」という断定的な表現はしていないけど、やっぱり読者にワクワクしてもわないといけないので、適度にリップサービスしている印象はあります。

とはいえ著者の意図を汲み取るとしたら、自分の「意図」と「エネルギー」と「行動」を編み合わせる「三つ編み」の状態でもって現実に対峙することで、「ただ流されるだけの人生」とは決定的に違う道が開け始めます。

たとえ予期せぬトラブルが起きたとしても、監督の視点があれば「これは最高の結末を迎えるためのスパイスだ」と面白がることさえ可能になります。

運命の脚本そのものは書き換えられなくても、それをどう解釈し、どう次に繋げるかという「編集」は常に自分自身の手に委ねられています。

自分の望む役を「らしく」振る舞い、自らの意志で人生を編集していくこと。

それこそが、タフティが伝えたい「現実創造」なんでしょうね。

これは「願望実現」や「引き寄せ」とも違う点です。

でも、多くの人はラクして夢や願望を引き寄せたいから、そのニーズに応え出版社は「引き寄せを超えたメソッド!」と言っちゃうし、本書を紹介する発信者の多くも「引き寄せ」というカテゴリーから抜けられない。

スピ系っぽいんだけど、実際はそんなスピスピしていない。

この本を願望実現メソッドではなく、ままならぬ人生をそれでも主体的に人生を歩むための「認知転換」のヒントとして手に取った方がいいんじゃないかなと思います。

でも、正直読みにくい文章で、ちょっと何言ってるかわからない箇所も結構あるので、強い興味のある方以外はあまりおすすめはしませんね。

要点・要約文を読んで、あとは動画でご覧になりたければ以下からどうぞ。


スピ系ベストセラー『タフティ』を願望実現本としてオススメしない理由

今回は数年前からスピリチュアル界隈で話題になっている『タフティ・ザ・プリーステス 世界が変わる現実創造のメソッド』という世界的ベストセラーを、批判的に取り上げます。

(先に言っておきますが、特におすすめしたい本ではありません)

著者はヴァジム・ゼランドさんというロシア在住の作家で、元量子物理学者とのことです。

原著は2018年の発行で、日本で翻訳が出たのは2023年の11月です。

それから「"引き寄せ" を超えるメソッド」として話題になっており、私もお客さんから「『タフティ』についてどう思いますか?」というご質問を受けたこともあります。

ただ、私はスピリチュアルが仕事の割に一般的なスピ系はあまり読みません。

タフティもご質問をいただくまで知りませんでした。

その後ネットで調べたら、本の表紙の女性の絵が生理的に嫌悪感を覚えてしまい、読み気が全く置きませんでした。

私以外にも「ジャケ買い」の真逆になっている人は結構いるようですね。もったいない。

このタフティという名の女性は「3000年前のイシス神殿の巫女」という設定なんですが、オネエキャラで上から目線でモノを言うキャラです。

例えばパッと開いたページを読むと、「怠けないで。お利口さんなら、ちゃんとできますよね。そうでないと追い出しますよ、役立たずとしてね。私以外あなたを愛する人なんていないのですから」。

愛着がまだできていない段階からこういうことを言われると、イラッとしますね~。

オマエ何やねん、何でそんな設定にしたん? と言いたくなる。

その上でタフティ(というか著者)独特の表現、造語、言い回しがあり、正直読みにくい。

なんでこういう本がベストセラーになっているのか、ちょっとよくわからない部分はあります。

ただ、おそらく夢や願望を引き寄せたいのになかなかできない「引き寄せ疲れ」の人たちをうまく取り込めたんじゃないかなと思っています。

この本の帯に「引き寄せを超えるメソッド」と書かれてあることから、最新版の引き寄せをアピールしているのがわかります。

しかし、最初に言っておきますが、この本は「引き寄せメソッド」ではありません。

ネット上の紹介ブログやYouTubeなどをざっくり拾ってみると、大半は「引き寄せ」ジャンルとしてこの本を紹介しているようですが、それは違います。

テンション高く「これは最新の引き寄せメソッドだ!」と言った方が注目を集めやすいんでしょうけど、それはこの本の意図ではありません。

まず「引き寄せとは別のポジションを取っている」と伝えておきます。

そうではなく、このタフティは「認知・認識のあり方を再検討する」ということを主張したいんだろうなと、私は受け止めました。

それは著者が元・量子物理学者であることからも推察できるはず。

私はこの本の生理的に受け付けない箇所、ちょっと何言ってるかわからない箇所は思い切って飛ばしたので、深い読み込みまではできていないと思います。

ただ、大事なことはこういった本をきっかけに自分が何を考えるかということですから、あくまで私の解釈ということで以下読み進めてください。

読みにくい本なので、強い興味でもない限りあまりオススメはしません。

ところで、私はお名前だけで人間やモノの波動(エネルギー状態)を観るのが得意なのですが、その観点からすれば、この本の波動は決して悪くはない。

でも、めちゃくちゃ良いとも言えませんね。

「3000年前のイシス神殿の巫女」という設定の割に、そこまで深い叡智を語っているわけではない。

ま、あまり深い内容だとベストセラーにはなっていないでしょうよ。

ただし従来の引き寄せとは違うポジション取りをして、それが売れているという点においては、一度中身を検討してみる価値はあるだろうと思います。

最初のスライドに「タフティ・ザ・プリーステス:現実という映画の監督になる」と書いてありますね。

この表現は、この本の英語版の原題「Live Stroll Through A Movie(映画の中を歩く)」から来ています。

つまり「監督としてこの現実を見ましょう」ということがこの本のコアメッセージです。

なのでAIが作ってくれたスライドには「引き寄せを超えた現実創造の操作マニュアル」と書いていますけれど、タフティは引き寄せがメインでもなければ、「現実を操作できる」とも言っていない。

AIは表にたくさん出ている情報をソースにしますので、どうしても「引き寄せ」に引っ張られてしまうんでしょうね。

引き寄せや願望実現≒欲望に囚われた目で見ると、この「現実創造」という言葉は「思い通りの現実を創造する」というニュアンスで理解してしまいがちですが、タフティが言いたいのはそういうことではない。

そもそも人生という映画は、自分の意志ではコントロールできない要素がたくさんあります。

そのままならぬ中で、現実創造に向けて自分の望む「意図」を明らかにし、「エネルギー」を湧き起こし「行動」していくこと。

この一連の動きがもたらす結果をタフティは「現実創造」と呼んでいるわけであって、「思い通りになる」なんてことは言っていない。

ただし本書では自己啓発・成功哲学・引き寄せっぽい言葉が結構出てくるので、バイアスがかかっているとそういう風に読めてしまう部分はあります。

現実世界では自分ではコントロールできない「他者」が存在しているのであって、その関係性の輪の中でいかに折り合いをつけていくかが生きるということです。

願望実現や引き寄せの考えは、自分と他者との関係性を切り離し、自分の意識のみを働かすことによって現実を変えていこうという仮説的な提案です。

ただ、それがうまくいかないからタフティのような「引き寄せを超えるメソッド」というキャッチコピーに、まさに「引き寄せられた」んでしょ?

しかし、タフティの場合は思い通りに引き寄せるのではなく、「マトリックス」という名の仮想現実の中で自分が映画監督として、どんな意図で臨んでいくのか、という態度のことを語っています。

「引き寄せ」とは、その結果に過ぎません。

望む現実は「引き寄せる」のではなく「選ぶ」「決める」こと

さっき言った「この現実は潜在意識というフィルムが映し出した、映画のスクリーンのようなもの」という表現は、他のスピリチュアルな文脈でもときどき言われています。

タフティが最もポイントを置いているのは特に斬新な理論ではなく、従来から言われていること。

私たちの多くは「現実」というスクリーンに映し出されるさまざまな出来事に、無自覚に自動反応しています。

うれしいことがあったら喜び、嫌なことがあれば腹が立つか、悲しむ。

いずれにしても「刺激」と「自動反応」に生きているわけで、これをタフティは「眠っている」と言うわけです。

簡単に言えば、「生きているから、ただボーっと生きている」というだけの、流される生き方。

アタマの片隅では「このままじゃいけない」と思いながらも、その日暮らしが漫然と繰り返されていく。

それを止めるには、自覚的に生きる、「目覚めて生きる」心がけをしないといけない。

具体的には「自分がここでこんな反応をしてしまうのは、そこにどういう信念や価値観があるからだろう?」というように、無自覚な演者から「監督」の立場に意識を切り替えること。

タフティはここを出発点としています。

目覚めていない人、夢の中をマネキンのように無自覚に生きている人は、他の誰かが書いた台本通りに動く「ペーパー人間」だとタフティは言っています。

それが「偽の自由」です。

そこから脱出するには、自分が過去から作り上げた信念や価値観に突き動かされていること、刺激と反応だけで生きてしまっていること、誰かが書いた台本の通りに演じさせられてしまっていることを知ること。

これが「脱出の鍵」となります。

これはラジオ(YouTube・Podcast)では言ってませんが、民主主義は一種の「偽の自由」でしょうね。

私たちは、私たちの「民意」で政治が動いていると思い込んでいる。

けれども実際は巧妙なプロバガンダや政治的工作によって、実は権力者のコントロールで操られているだけなんだと。

もしそれを気づくことができたら、政治には期待せず、主体的に人生を築いていく意識が強くなります。

その主体的人間の総意に基づく政治こそ本来の民主主義のはずですが、実際はそうなっていないのは日々の「政治ショー」を見ればわかりますね。

話を戻しましょう。

自分がどれぐらい夢や幻想の中にいるのかを自覚的できるようになると、現実はすぐに変えられなくとも、目の前の出来事への処し方が変わってきます。

ですから、タフティは「引き寄せ本」じゃないんですよ。

タフティは "引き寄せっぽいこと" も言っているので誤解されやすい。

しかし主張しているのは、マネキンの無自覚な「俳優」から、自覚的な「監督」まで気づきの水準を高めるということなんです。

「監督」にシフトチェンジすると、「現実を冷徹に観察する」とか「次のシーンを意図する」とかいう発想が出てきます。

これが原題の「映画の中を歩く」という言葉に込められた著者の意図です。

監督(ディレクター)とは、ディレクションする(方向づけする)ということ。

いわば次のシーンを「選ぶ」ということなんです。

この「選ぶ」という視点は、量子論が言う「多次元解釈」から発想を得ているのかもしれません。

宇宙物理学にも「マルチバース」という概念がある通り、この世界には多数の「現実」があり、それはどのフィルムを「選択」するかによって決まってくる。

タフティは自分の望むことを意図的に選択することを教えているわけです。

ただ、私の受け止め方としては、望むフィルムを選択したところで、現実は簡単にその通りにはならないでしょう。

というのはタフティも言っていますが、今の現実は夢を見ていた過去の自分が作ったものだから、それがすぐに変わるわけではないからです。

もっと言えば、この本には書いてませんが物事の成就には「運」や「タイミング」も絡んでいるので、そう簡単に思い通りになるわけではありません。

(なので後でも言いますが、タフティは「フリをする」ということを教えます)

タフティも「法則」っぽいことは言っているのですが、「絶対に叶う」という断定的なことは避けているように感じます。

そのあたりがこの本の微妙な点の一つですね。

例えば、いまパッと目についたところを読んでみると、

「自分の本当の目標、人生の目的を見つけて、それに向かって動き始めなければならない」

「自分を向上させること、高めることに集中する」

まぁこれは当たり前のこと。

こういう当たり前のことも言いつつ、独自の造語やわざと難しくしているかのような表現もするから、レビューに「難解」と書かれてしまう。

まぁ難解というか、個人的には説明が下手だと思います。

それでもベストセラーになっているのが不思議なんですが、それがタフティのパワーなんでしょうかね。

人生の台本を「書き換える」のではなく、新しいものを「構築する」視点を持つ

この本の中で最もわかりにくいのは「三つ編み」という表現でしょうね。

この「三つ編み」が序盤に出てくるのですが、マジで何を言っているのかわからないので、ベストセラーという評判で手に取った人の大半はここで脱落すると思います。

上のスライドは「三つ編み」を説明しているのですが、これだけだと意味わからんでしょ?

本を注意深く読んでもタフティは「三つ編みが何なのかは直感的にわかるわよ」と突き放すので、突き放された読者の多くはそのまま戻ってこなくなるでしょう(汗)

AIのサポートを受けてまとめてみると、「三つ編みを編む要素」として、一つ目に「意図」、二つ目に「エネルギー」、そして三つ目は「行動」と書いてますね。

この説明はタフティが言っている内容とはかなり違うんですけど、今回はこれで進めます。

たぶんAI自身も「三つ編み」を理解できていないんでしょう(汗)

(※このままにするのは発信者として無責任だと思うので、もう少し読み込んで次回以降さらに詳しく説明します)

一つ目の「意図」とは、単に願望を思い描くことではなく、さまざまな可能性の「フィルム」の中から自分の希望するものを選ぶこと。

二つ目の「エネルギー」とは、心から望んでいることをすることによって湧き上がってきます。

三つ目の「行動」とは、「意図」と「エネルギー」がもたらす必然的結果です。当たり前ですね。

このトライアングルの先に「現実化」があるわけですが、注意点は「そのまま現実化する」というわけではありません。

とはいえ刺激と反応だけで生きる「ペーパー人形」よりは、現実を創造する可能性は高まります。

これは日本語版のサブタイトルの通り「現実創造のメソッド」であって、「引き寄せ」とはニュアンスが異なることを繰り返しお伝えしておきます。

ここでまたパッと目についたところを読んでみましょう。

「あなたは台本をコントロールできない。現実を構築するとは台本をコントロールすることではなく、映画を選択することです。あなたのすべきことは次に来るコマに意識を向け続けておくことです」

「引き寄せ」はスピっぽいですが、その正体は従来の自己啓発通り「思い通りに現実を動かす」というコントロール思考です。

一方タフティは「コントロール」を手放し、次にやってくる現実のフィルムのコマを意識することを説きます。

この「意識する」とは、先ほど述べた「意図」と「エネルギー」と「行動」です。

次のスライドでは4つ目の「踏み入る」について触れておきましょう。

「自分の望む未来のフレーム(場面)が現実になると確信し」とサラッと書いていますが、それを確信できるということがいかに難しいかについては、タフティはそれこそあまり「踏み入って」ませんね。

これは私の解釈がかなり入りますが、最も大切なのは「それが現実になると信ずること」であって、それが実際に、結果的にその通りになるかどうかは二の次です。

この人生という舞台の主役は「私」であって、代役は他に誰も存在しないという絶対的事実。

それを深く悟れば、自分がたとえ一流の役者だろうが、大根役者だろうが、私は私が意図して書いた台本に生きることを強く決心する。

自己啓発、スピ系はタフティも含めて「思い通りに」したがります。

しかし私の根本には「人生は思い通りにならない」という仏教的無常観があります。

しかし、その中でも「自分はこう生きたい」という思いを定めて生きることが、主体的な態度だと思います。

タフティ理論が論理的一貫性に欠けていると思うのは、「思い通りになる」と言いながら、一方で「予期せぬトラブルも起きる」と言っていることです。

このあたりは読者が戸惑うところでしょう。「いったい何が言いたいんだ?」と。

ただ、ここでは「人生は一つの映画である」というタフティの言葉に寄り添うなら、「予期せぬトラブル」は「どんでん返し」や「ハッピーエンド」を迎えるための一つのスパイスになります。

ラッキーやハッピーの連続だけの映画は面白くないですからね。

ピンチがあれば、「これはめっちゃ面白い結末になるぞ!」という意図を放つわけです。

(よくありがちな自己啓発の発想ですけど・・・)

今回言っている「監督」とは俯瞰して眺める視点なので、タフティは「ハイヤーセルフ」と言っています。

ただし、私個人は「ハイヤーセルフ」はもっと高次元な存在だと思っています。

タフティが言う「ハイヤーセルフ」は『メタ認知』(自分の思考を客観的に観る視点)ぐらいでしょう。

タフティはスピリチュアルっぽいんだけど、実はそれほどでもありません。

著者は元量子物理学者ということもあってか、スピリチュアルにはガチに踏み込んでいない印象を受けます。

スライドには「カルマからの解放」と書いてありますね。

「脚本(台本)通りに生きることをやめた時、過去世やカルマの自動再生も終わる」と。

これは異論があります。

私たち普通の人間(悟っていない人間)は、過去世やカルマを超えることは不可能です。

ただし、タフティに寄り添って考えれば、過去世やカルマによって起こってくるであろう現象に対し、盲目的な刺激と反応ではなく「意図を持って見ること」は可能です。

「監督の視点」に立って、少し引いて見れるようになる。

「いま・ここで過去世の物語、カルマの台本がこんな感じで起こってきているな。なるほど、では自分はここでどうしようかな」などと、意志を持って選択できる余裕が生まれてくるということです。

また「あなたは苦しむために生まれたのではない、自らの世界を創造し体験するためにここにいる」とも書いていますね。

これは耳ざわりのいい言葉ですけど、私から言わせれば「苦しむことも、魂にとっては貴重な体験の一つ」ですよ。

だってアンタさっき「予期せぬトラブル」は「どんでん返し」のチャンスだって言ったじゃん。

ここもタフティに寄り添って言えば、「無益な苦しみ」はなくなり、苦しみの中にも意味を見出せるようになる、その意味で「現実創造」になるということでしょう。

ここに「脚本は書き換えられる」と書いていますけれど、少し間違えると自己啓発的なコントロール思考に陥ります。

もう少し謙虚に、その下に記載している「編集はできる」と言う程度でちょうど良いのではないでしょうか。

運命および宿命というのは、ほとんど「書き換える」ことはできません。

「書き換えられる」とアピールする人はいますが、それは非常に限られた顕在意識の範囲内での "あがき" に過ぎない。

タフティは言ってませんが、例えば「生まれる時代や場所」や「生物学的な性別」などの宿命は、自力では変更不可能です。

ただ映画のように「編集」はできますし、実際の映画は編集次第でかなり印象が変わります。

だからサブタイトルには「現実創造」と書いているけど、本当は「現実編集」と言うぐらいでちょうど良いのではないでしょうか(そうすると売れなくなるだろうけど)。

たとえ大変な出来事があっても、編集の意図によって「これがあったからこそ、次の未来がある」というふうに思い定められたら、かなり良い映画になりますね。

それが俳優として「良い演技」をするということでしょう。

この本の中でいいなと思ったのは「らしくする」ということですね。

自分の望む役者、自分の望む脚本通りに「らしくする」と。

ヒーローだったらヒーローらしく、ヒロインだったらヒロインらしく、悪役だったら悪役らしく振る舞うこと。

「らしくする」は、タフティの専売特許ではありません。

過去の自己啓発や成功哲学にも書かれてあることですし、役者の「演技論」の中にも出てきます。

登場人物になりきって「らしくする」ほど、板についてくるということです。

多くの人は年を取るにつれ「自分の人生はこんなもんだ」と一種のあきらめ感を抱いてしまいますが、それもまた「らしくする」の原理が働き、その結果「こんなもん」になってしまうわけですね。

もちろん「らしくする」としても、現実が思い通りになるとは限りません。

しかし生を終える瞬間まで自分が望む人生に向かって「らしくする」ことが、本当に主体的な生き方です。

それは「引き寄せ」を超えた生き方と言えるでしょう。

今回、自己啓発やスピ系界隈の世界的ベストセラー『タフティ・ザ・プリーステス 世界が変わる現実創造のメソッド』をごく簡単に紹介しましたが、冒頭でも述べた通り、売れている割に良い本とは感じませせん。

何しろ最重要キーワード「三つ編み」をフワッとしか説明しないので、多くの人はフラストレーションが溜まると思います。

本当に強い興味がなければ、買う必要はありません。

私は当初タフティ解説は一回限りで終わろうと思っていたのですが、ここで終わると何とも中途半端です。

何が良くて何がダメなのか、専門家としてもう少し研究したいので、あと数回は批判的に取り上げます。

世界的に売れる「普通のスピリチュアル」の限界を、たまには抑えておくことも大事かと思いました。

良ければ次回もお付き合いください。

改めて、今回の要点

  • 書籍『タフティ・ザ・プリーステス』は、従来の「引き寄せ」とは一線を画し、現実を「映画」と見立て、役者でなく「監督」の立場から創造する視点を説いている。
  • 私たちは無意識レベルの「刺激と反応」で生きる操り人形(ペーパー人間)になりがちだが、意図と自覚を持つことで「現実創造」の人生に入れるようになる。
  • 人生の台本を「書き換える」という従来の視点から、自分の望む新しい映画を「構築する」こと。既存の現実を変えるのではなく、別の次元を選択するのがタフティの発想。

なお、YouTube(Podcast)は今回の文字起こし編集でカットした部分があります。

今回も動画と文字起こしは少し内容が変わります。

なので動画(または音声)もご視聴いただけると、より理解が深まるかと思います。

※この下に「音声プレーヤー」があります。倍速再生も可能ですし、YouTubeより通信量も少ないし、スマホを画面オフにしても聴けるので便利です。

マジスピラジオ:脱・お花畑の「真のスピリチュアル実践」
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