※ウェブサイト『マジスピ』には音声の文字起こし(読みやすく加筆修正済)があります。
■今回は以下のブログを違う角度から語り直しました(https://prism-life.com/changing_past_lives/)
■YouTubeではメモ、資料、スライドなどを映していますが、音声プラットフォームの「ながら聞き」でも十分ご理解いただけると思います。
ウェブサイトでは最下部に音声プレーヤーがあります。倍速再生も可能ですし、YouTubeより通信量も少ないし、スマホを画面オフにしても聴けるので便利です。
■マジスピ・サブラジオ(stand.fmで配信中)
https://x.gd/o4EIt
■ご感想・ご質問は『アンケートフォーム』からどうぞ
https://x.gd/Mp7Lg
目次
過去世を知るだけでは、人生は変わらない
今回の文字起こしの要点
- 「現世をしっかり生きる」という姿勢があってこそ、過去世リーディングの情報は参考になる。
- 過去とは「記憶」なので、解釈が変われば過去はもちろん、過去世を変えることもできる。
- 本当は「現在」しか存在しないので、過去や過去世も「現在」の上に生まれている。
- 「"悲惨な過去世" だから現世が悪いのだ」と単純に固定化すると、幸せにはなれない。
今回は「過去世」の話です。
これは、ちょうど1年ほど前に書いたブログをもとに話を進めていきます。
そのときのタイトルは、
「前世は本当は変えられる? 過去世を知るだけでは人生は変わらない理由」
というものでした。
この内容を、改めて別の角度からお話ししていきます。
このブログを書いた当時、私はまだ「過去世リーディング」を行っていませんでした。
というのも、「過去世を知っただけでは人生は変わらない」という認識から、安易にビジネスにしてはいけないと考えていたからです。
現在はメニューの一つになっていますが、この認識は変わりません。
仕事にしたいのかしたくないのか、自分でもよくわからないです(笑)
今回はこの認識に加え、
「過去世というのは“過去”ではない」
「過去世は現在でもある」
という、一見するとよくわからない話を、この後なるべくわかりやすくしていきます。
スピリチュアル業界には、過去世リーディングの他に「前世療法」もありますよね。
この前世療法は、人によって意見が分かれます。
「全然意味がなかった」という人もいれば、「人生が変わった」と言う人もいる。
万人に向いているものではないようですね。
同様に「過去世リーディング」も、決して万人にオススメできるようなものではありません。
先ほども言ったように、それを知ったからところで、人生が変わるとは限らないからです。
スピリチュアル業界では「過去世を知れば人生は変わる」といった宣伝やマーケティングがされるものの、私は違うと思っています。
とはいえ、私は相手の波動(オーラ)を注意して観ると、脳裏にフーッと不思議なビジョンや光景が浮かんできます。
もちろん「過去世」というものを科学的に証明できることはできません。
けれど、それを相手にお伝えすると、不思議なことに「すごく腑に落ちました」「何だかわかる気がします」などと言われることがよくあります。
「過去世リーディング」のページの中には実際のリーディングの音源があり、その中ではお相手の方がそういうことをおっしゃっているので、ご興味があれば聞いてみてください。
もちろん事前打ち合わせなんか一切してませんよ(笑)
その過去世リーディングの音源の一つに、「小さい子どもが絵を描いているビジョン」が浮かんだことがありました。
それをお伝えしたところ、あとになってわかったのですが、その方も小さい頃に絵を描くのが好きだったそうなんです。
でも、結婚して家庭を持ち、仕事や家事、子育てに追われる中、かつて夢中になっていたことをすっかり忘れていた。
けれど、「過去世リーディング」をきっかけに、「自分は本当は絵を描くのが好きだったんだ」ということを思い出されたわけです。
こうした不思議な符号があるのは事実です。
でも、それをもって「これで人生が変わりますよ!」とは言いたくない。
だって、大切なのは過去世リーディングの内容をどう現世で生かすかという「本人の意思」ですから。
過去世の一部を知っただけで、深い気付きが生まれて、ひとりでに人生が変わっていく……なんて虫の良い話なんてありゃしませんわ。
こういうことを前提として、探求心や好奇心の強い方は「考える材料の一つとしてどうぞ」とお伝えしています。
なぜ「過去は変えられる」のか?
自己啓発や心理学の方面では「過去は変えられる」と、常識とは逆のことを言います。
ここでの「過去」の定義は、「過去に起きた客観的事実」ではなく、「過去の記憶(主観的事実)」です。
過去は記憶であり解釈だから、解釈が変われば「過去は変わる」という論理ですね。
私は職業柄、人の波動(オーラ)を拝見します。
そのなかで、「過去に対して肯定的・受容的な人」は、やはりオーラが綺麗です。
これは誰でもわかりますよね。
ただ、ここには少し難しい側面もあって……それは「サイコパス」と呼ばれる人です。
例えば、自分が人を傷つけたり迷惑をかけたりしているのに、それを「無かったこと」にする人、記憶を改ざんしてしまう人。
あなたの周りにも、一人ぐらいいるかもしれません。
「さすがにそれは人としてどうよ?」と疑ってしまうような人でも、本人は意外とケロっとしてる。
そういう人は、確かに過去を受け入れているようには見えるんです。
で、表面的にはオーラもきれいに見えることがあります。
ただ、オーラにはいくつかの層があり、表面だけでなく奥の層まで観ていくと、やはり濁っていたり重たかったり暗かったりするんです。
そういう意味では完全にごまかせないのですが、表面的な意識は自分で自分をだませる人もいます。
そういった例外は除き、常識的な感覚を持った人なら、過去に対して肯定的・受容的であるほど、オーラは綺麗です。
過去をどう捉えるかは、結局その人自身に委ねられている。
ただ、それは記憶を自分の都合よく消去したり、書き換えたりすること(=記憶の改ざん)ではありません。
この「記憶の改ざん」を扱った映画が、ロビン・ウィリアムズ主演『ファイナル・カット』です。
これは以下のブログで紹介したので、ご興味があればご覧ください。
ここで大切なことは都合の良い記憶の改ざんではなく、どれだけ不都合な出来事、悔恨や痛苦な過去の出来事があったとしても、それを正面から見つめていく「魂の力」なのです。
過去だけでなく、過去世も変えられる
「過去が変えられる」なら、「過去世もまた変えられる」のは当たり前のことです……
と言うと、ちょっと飛躍していると感じるかもしれませんので、少し説明していきます。
例えば、ある人の過去世――過去世はあくまで「物語」と捉えておいてください――として「中世ヨーロッパのごく平凡な農民」というイメージが現れるとします。
その過去世(の物語)は、「相談者にとって、いま必要なものが出ている」のですが、決してそれがすべてではありません。
「過去世」とひとことで言っても、本当はいろんな側面があるのです。
私たちはついつい「固定化」したがります。
過去世リーディングで「あなたの過去世は平凡な農民でした」と言われると、多くの人はそれを「自分は平凡な過去世なのか……」として固定化してしまいがちです。
「そうか、じゃあ現世も平々凡々たる人生で終わってしまうのかな」と解釈するかもしれない。
そして、現世も本当に平凡な人生になってしまうかもしれない……
解釈を固定化し、現世を過去世の単純なる延長として見てしまうと、そうなる可能性が高まってしまう。
でも、その解釈はあくまで「いろいろある解釈のうちの一つ」に過ぎません。
解釈の仕方が変われば、「意味」は変化していきます。
もし「こんな現世も平凡な人生じゃ、ちょっと面白くないな」という解釈をすれば、もっと刺激的な人生にしていくにはどうすればいいか、という思考が生まれてきます。
過去世もまた広い意味での「記憶」であれば、それも現世の過去=記憶と同様、変えられるのです。
例えば、いい加減な占い師や霊能者が言いそうなこととして、
「あなたは過去世で人を殺したり、物を盗んだりしてきたから、現世はすごく苦労します」
というような物語。
これ、典型的な脅し文句の一種であり、ネガティブな解釈なんですよね。
でも、実はこういう過去世があったとしても、現世ではものすごく立派な人がいます。
例えば、経営者として良いサービスを生み出して成功している人や、社会貢献を積極的に行い人のために尽くしているような方。
このような「善良な人間」の過去世を観ると、なんと、まったく正反対のビジョンが出ることがあるんですよ。
では、なぜ現世では「善良な人間」という真逆の人格なのでしょうか。
それは、無自覚ではあるけど、過去世での痛烈な後悔や深い反省があったのではないかと思います。
「もう二度とこんな悪いことをしてはならない」と。
このような潜在意識の下に隠された誓いが、今の「立派な生き方」に現れているのかもしれません。
過去世が悪かったからと言って、現世まで悪いとは限りません。
「因果応報の物語」はわかりやすいので、ついつい固定化に走ってしまいがちです。
「過去世が悪いから、現世も悪いんだ」と思うのは簡単ですよね。
そう解釈した方が「ダメな言い訳ができてしまう」ので、エゴにとっては都合がいい。
でも、本当はそうではありません。
「過去世も解釈次第で変えられる」のです。
ですから、過去世リーディングは「現世にどう活かすか」という意志を持って臨まなければ、有効活用することはできず、無用の長物となってしまうのです。
ヘタに知らない方がいい。
まさに「知らぬが仏」ですね。
別に知らなくてもいいのですが、それでも過去世の物語を知る意義があるとしたら、
「自分に与えられた"現世の運命"をどう受け止めるか」
を深く考えるに尽きます。
現世の価値観から見て、過去世の物語が良いものだろうが悪いものだろうが、それらすべての上に今のあなたの運命が作られています。
「すべては体験であり、学びである」という立場に立つこと。
たとえ理不尽な出来事であっても、「これは自分に必要だったのだ」と深く受け入れることができたとき、「表面意識の記憶としての過去」「潜在意識の記憶としての過去世」は変わっていきます。
そう、過去も過去世も「固定化されていない」のです。
騙された、裏切られた、傷つけられたという痛みも、決意次第で「愛」や「優しさ」へと変えていくことができる。
もちろんそれは簡単ではないけれども、簡単ではないからこそ、愛や優しさに転換できたときの価値は高い。
偉大な人物、器の大きい人物とは、例外なくそういう人でしょう。
過去世は遠い記憶ではなく「現在そのもの」である
スピリチュアルな視点で見ると、本来は過去も未来もなく、あるのは「今」だけです。
ですから「過去」はもちろん「過去世」もまた、現在において存在しているのです。
「生成AI」ではありませんが、「現在において生成している」と言った方がより正確かもしれません。
価値観や解釈――生成AIでいうアルゴリズム(計算方法)――が変われば、過去も過去世も変わってくるのです。
物質的な尺度では、「過去→現在→未来」というふうに時間を区切った方がわかりやすい。
でも、本当はそうではありません。
「現在しかない」のが真理です。
ということは、「過去世という物語」は、あくまで "現世の自分" を知るための一つの「窓」だと言えるでしょう。
私もスピリチュアル稼業をしている以上、「過去世はありますよ!」と強く主張した方がいいかもしれませんが、商売がヘタなのでやっぱり言えませんね(笑)
「過去も過去世も現在である」ということは、現在の自分の人格や価値観が高まれば、過去や過去世もまた変化していくということです。
その意味では現世という物質世界における過去より、純然たる意識の世界である「過去世」の方が、実は変えやすいのです。
こう言うと「じゃあ過去世もポジティブシンキングで考えればいい、ということですか?」と聞かれるかもしれませんが、ちょっと違うかな。
無理にポジティブに捉える必要はありません。
現世における過去と同じように、無理にポジティブシンキングするのではなく、ただ善悪関係なくすべて受け入れるということです。
悪いこともしなければ、悪いヤツの気持ちはわからない。
人を殺すこと、殺されることの悲しみを体験しなければ、慈悲のこころはわからない。
怠惰で何の価値も生まない人生のつまらなさがわからなければ、働くことの意義が感じられない。
「その体験から何かを学ぶ」という謙虚な気持ちになれば、受け入れられるようになるでしょう。
オセロゲームみたいなもので、「現在の心」が白くなれば、過去も白く裏返っていく。
逆に、「現在の心」ずっと黒いままでいれば、過去ずっと黒いままです。
普通のスピリチュアルは「過去世のカルマ」を固定化して捉えるから、その枠組みで自分の過去世の物語を知っても、知的好奇心が一瞬だけ満たされて終わりです。
このバリエーションとして、現世の今が辛い、苦しいと感じていて、原因を過去世に求める人がいます。
それでリーディングの結果「悲惨な過去世」が出てきたとしたら、「あー、過去世がイケてないから現世もダメなんだな」と自己説得しようとする人もいます。
つまり、固定化することで逆に安心を見出そうとするパターン。
でも、それって「自分がそう思いたいから、そう解釈しているだけ」ですよね。
それはあまり健全とは思いません。
真のスピリチュアル(マジスピ)ではなく現実逃避のスピリチュアルだと、心から満たされることはありません。
与えられている運命によっては、現世が辛い場合もあるでしょう。
けれども、私たちはそうやって過去世からいろんな人生を積み上げてきたのです。
順風満帆の人生ばかりだったら何も学ぶ必要はないし、魂はちっとも成熟しないですよ。
こういう地味な配信をご視聴、ご聴取いただいているということは、やっぱり何か求めるお気持ちがある方だと思います。
もし「過去世という窓」にご興味があるなら、その窓を通じて現世をいつもと違う角度から見直してみると、意外な気づきがあるかもしれません。
ただ、別に必須ではなく、大切なのは繰り返しになりますが「現世の運命をどこまで受け入れられるか」ということです。
少しでもご参考になれば幸いです。
ありがとうございました。
改めて、今回の文字起こしの要点
- 「現世をしっかり生きる」という姿勢があってこそ、過去世リーディングの情報は参考になる。
- 過去とは「記憶」なので、解釈が変われば過去はもちろん、過去世を変えることもできる。
- 本当は「現在」しか存在しないので、過去や過去世も「現在」の上に生まれている。
- 「"悲惨な過去世" だから現世が悪いのだ」と単純に固定化すると、幸せにはなれない。
なお、YouTube(Podcast)は今回の文字起こし編集でカットした部分もあります。
なのでこちらも聞いていただけると、より理解が深まります。
※この下に「音声プレーヤー」があります。倍速再生も可能ですし、YouTubeより通信量も少ないし、スマホを画面オフにしても聴けるので便利です。
