※ウェブサイト『マジスピ』には音声の文字起こし(読みやすく加筆修正済)があります。
■YouTubeではメモ、資料、スライドなどを映していますが、音声プラットフォームの「ながら聞き」でも十分ご理解いただけると思います。
※今回使った資料は以下からダウンロードできます
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ウェブサイトでは最下部に音声プレーヤーがあります。倍速再生も可能ですし、YouTubeより通信量も少ないし、スマホを画面オフにしても聴けるので便利です。
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目次
「不安を煽る予言」が人々を惹きつける理由
今回の文字起こしの要点
- 2025年7月の「大災害予言」は、根拠に乏しく人々の恐れを煽るだけの無意味な情報である。
- こうした予言に反応してしまう背景には、私たち自身の中にある“無意識の恐れ”がある。
- 本当に大切なのは、未来を予測することではなく、「今日一日を淡々と誠実に生きること」である。
今回は、スライドを使いながらプレゼンテーション形式でお届けします。
実はこのテーマを取り上げるつもりはなかったのですが、最近リクエストをいただいたこともあり、収録することにしました。
収録時点は2025年5月ですが、世間では「2025年7月に大災害が起きる」と噂されているようです。
これについて、ひとことで結論を述べると──
めっちゃくだらない話です。
しょうもない話だなと思いつつも、最近のカウンセリングで「2025年7月の予言について、どう思いますか?」と質問を受けました。
そこで今回は、その問いに答える形でお話をしていきます。
実はこの件については、すでに2024年8月10日発行のメルマガ、クローズな場では見解を述べています。
ただ、YouTubeなど公の場で話すのは今回が初めてです。
スライドも使用していますが、音声だけでも十分に理解できますので、お好きな媒体でご視聴・ご聴取ください。
最近のスピリチュアル系のYouTubeでは、これがかなり話題になっているようですね。
私自身は興味がないので詳しくは見ていませんが、検索すれば確かにいろいろと出てきます。
そして、その「予言の日」が近づいていることもあり、世間の一部の注目が集まっているんでしょう。
そのXデーは「2025年7月5日」だという情報も出回っているようですが、実際のところはよくわかりません。
とにかく、私にとっては本当にどうでもいい話です。
この予言について初めて知ったのは、私が受講生として参加しているカウンセリング研修の場でした。
私の仕事がスピリチュアルだということをご存知の方から、この予言に関して「林さんはどう思う?」と聞かれたんですね。
私は即答で、
「私は知りません。関心がないので。どうでもいいです」
と答えました。
ただ、他の方からこの手の質問が上がってきたので、一度だけメルマガで取り上げたわけです。
その時に取り上げたのが、今回のネタ元である漫画家・たつき諒さんの『私が見た未来・完全版』(2021年10月2日出版)という本です。
読まずに批判するわけにもいかないと思いましたが、こんなくだらない本にお金を使いたくない気持ちの方が強い。
幸い近くの図書館に置いてあったので、一通りパラパラと目を通してみました。
正直に言うと、この本の波動(エネルギー)は「重たい」です。
いつも冒頭で「お名前だけでわかります」と言っているように、私は本もタイトルや表紙などを通じて波動を感じることができます。
悲惨な内容であっても、そこに真実が宿っていれば本の波動は重たくなりません。
逆に、嘘やデタラメが多いほど、波動は重く、暗く、濁ってしまう。
これは人間の言葉と同じで、言霊の集まりとしての“本”にも波動が宿るということですね。
余談になりますが、私のホームページ「マジスピ」では、『スピリチュアル系 本格ブックガイド』というページに多くの本を紹介しています。
スピリチュアル系を中心に、80冊ほど無料で公開していますので、ご興味あればご覧ください。
話を戻しますが、『私が見た未来』という本の波動は、全体として重たいものでした。
著者・たつき諒さんご本人の波動は、表面的にはそれほど重たくは感じません。
本人に悪意があったとは思っていませんが、問題はその「結果」です。
たとえ悪意がなかったとしても、それを読んだ人が結果として怖れを抱き、混乱を招いてしまうなら、それはやはり罪深い行いです。
実際この本が100万部以上も売れ、大手メディアで大々的に取り上げられている状況を見ると、社会への影響は大きいと言えるでしょう。
著者のたつき諒さんの意図がどうであれ、結果として多くの人が「不安」や「恐怖」に反応している現実があります。
追記:2025年7月5日が近づくにつれ、ご本人の波動はだんだん重たくなっています。これはついに「Xデー」が近づき、本当に不安と恐怖を感じる人が増えてきたことに対する代償です。たとえ悪意はなくとも、事実として心理的・社会的被害を与えていることに対しては責任を問われます。
この霊的真理、波動の法則からは絶対に逃れることはできません。著者および出版社には痛烈なる反省が求められています。
私の元にも、この件を不安に感じてカウンセリングにお越しになった方がおられます。
「本当に大災害が起こったらどうしよう……」と、家族みんなが心配されていたようです。
そのような怖れが刺激される以上、この本は出すべきではなかったと私は考えています。
たまたまネット上で「文春オンライン」に著者インタビューがありました。
2022年4月の記事なので、本を出版して約半年後です。
読んでいると、本が生まれた経緯についていろいろ語っていましたが、「騒がないでください」「あくまで私の空想です」「私も未来なんかわかりません」などと著者本人の口からハッキリ否定する発言はありませんでした。
せいぜい、以下のようなコメントをされた程度です。
(中略)しかし、今は違います。私のマンガや言葉に、多くの人が目を向けてくれています。だとすれば、今後起こるかもしれない災害への警鐘を鳴らすことによって、被害を最小限に抑えることができると思うのです。
私の防災意識も変わりました。自宅周辺のハザードマップを確認したところ、江戸中期の大津波を軽視していて、想定が甘いことがわかったのです。さらに調べると、その時の洪水で、今もある神社が1キロほど移動していたことも知りました。
こうした事例は、日本全国にあるでしょう。皆さんには、自分の住んでいる地域の地形の特徴や過去の災害を自分で調べた上で、しっかり備えてほしいのです。想定を超える災害があれば自宅が埋まる、といった危機が潜んでいるかもしれません。また、熱海で昨年起きた伊豆山土砂災害のような人災も考えられます。
いずれにしても、考えうる様々な災難に対して、備えておくに越したことはないはずです。いざという時「やっておいてよかった」と言うことはあっても、「やりすぎだ」と苦言を呈する人はいないですからね。
文藝春秋オンライン『「本当の大災難は2025年7月にやってくる」東日本大震災の予言が的中…漫画家・たつき諒が語った“予知夢の意味”』より引用
上記の引用部分の「警鐘を鳴らす」という表現からわかる通り、ご本人は自分の与えてしまっている社会的影響について、あまり自覚がないようです。
それでもなお、結果に対しては責任を問われるんです。
怖れが「予言」を現実に変えるメカニズム
このような「予言」は、たいてい内容が曖昧です。
東日本大震災の際にも、「当たった」と自慢しているスピリチュアル系の人がありましたが、「曖昧な表現」であれば後からどのようにも解釈できますよ。
いわゆる“後出しジャンケン”のように、過去に書いた日記や写真を根拠に「予言が的中した」と主張する人もいますが、それが本当に事前にわかっていたのかどうかは確認のしようがありません。
表現を曖昧にしておけば、後から微修正を加えてシレっとごまかせてしまいます。
「地震の起こる前にブログにその情報をアップしていた」なんて場合もあるでしょうが、日付なんて後からいくらでも変えられますよ。
まさに「子ども騙し」のような話ですが、問題はそれが「受け手の怖れの感情」によって信じられてしまうこと、理性的に疑うことができなくなってしまうことです。
怖れの波動が強ければ、そのような予言に反応してしまいます。
「もしかしたら本当に起きるかも……」と考えてしまい、不安が膨らんでいくんです。
このメカニズムは占いにも似ていますね。
「半年後に○○が起きる」と言われると、それが良いことであれ悪いことであれ、自分軸がない人ほどその内容に引きつけられてしまいます。
そして無意識のうちに、その方向に思考や行動が引っ張られていく。
これを心理学では「予言の自己成就(自己実現)」と言います。
「そうなるかもしれない」と怖れて意識を集中させてしまう結果として、皮肉にもその状況が実現されてしまうことがあるのです。
つまり、よく言われる通り、「思考が現実を作ってしまう」ということです。
もちろん、すべての思いがそのまま現実になるわけではありません。
けれど、想念には現実を動かす力があるのは確かです。
特に、ネガティブな想念が強ければ、それにふさわしい現象を呼び寄せてしまうことがあります。
ここで注意すべきなのは、「そんな災害、絶対に起こってほしくない」と意識の表面では考えながらも、心のどこかで「破壊を望む気持ち」が潜んでいることがあるという点です。
私たちは現代社会を生きる息苦しさや閉塞感の中で、「一度すべてをリセットしてしまいたい」「ご破算にしてしまいたい」という破壊的衝動がふと頭をよぎることがあります。
近年、政治的支配層が「グレートリセット」という言葉を使うようになりましたが、これはそれを支持し、受け入れる層がいればこそ使われるのです。
「すべてを一度ぶっ壊して、ゼロからスタートできればいいのに」
「金持ちも貧乏人も、幸せな人も不幸な人も、ぜんぶフラットになっちゃえばいいのに」
このような破壊を望む暗い衝動──それは悪魔的でありながら、どこか魅惑的でもあります。
全部ぶっ壊れてしまえば、自分の不甲斐ない過去もチャラにできる……と思っているのかもね。
そういった病的な心理が私たちのどこかにあるからこそ、「くだらないと思いながらも、大災害の予言に注意が向いてしまう」わけです。
実際、そういう動画の再生数はかなり伸びます(私の超小規模なチャンネルでさえ、今回の動画・音声はいつもの倍以上の再生数となりました)。
ただ、「普通のスピリチュアル系」の人たちがそういう情報を出すのは、ビジネスのためだと理解しなければなりませんよ。
だって、そういう不安を煽る情報に反応する層は、一般的な占いや引き寄せのようなスピ系商材・サービスと相性がいいからです。
予言をネタにするスピリチュアル系の人たちが今も昔もこれからも存在し続ける理由は、そこにあるんです。
本物のスピリチュアリストは怖れを刺激する予言を語らない
当たり前のことですが、未来のことは誰にもわかりません。
たとえ一流の科学者であっても、地震などの自然災害を正確に予測することはできません。
例えば南海トラフ地震が起きる確率は、あくまで予測や仮説であり、確定的なものではありません。
現に南海トラフ地震は30年以上も前からずっと警告され続けているんですよ。
(そうやって警鐘を鳴らすことで、研究費をゲットしている研究者もいると聞きます)
もちろん当たらなくていいのですが、それをマスメディアで報道され続けることによって、いらぬ怖れをかき立ててはいないでしょうか。
そもそも「わからないことをわかろうとする」欲求が、迷いを生むのです。
人工知能全盛の現代においても、人間は無知で、無力で、無常の存在です。
それを素直に受け入れた上で、もし何かが本当に起こるのだとしたら、それに備えるしかできることはありません。
防災グッズを揃える、水や食料を確保する。
それでも完全には備え切れないのが現実です。
自然の前では、私たちは本当に小さな存在です。
本来は、「明日死ぬ」かもしれない儚い命なのです。
だからこそ、「今日を淡々と生きること」。
これが唯一の、そして確かな生き方だと私は思います。
未来の予言など、どうでもいいんだって。
約2000年前のイエス・キリストの時代から「偽預言者」というのがたくさんいて、イエスも「気をつけなさい」と言っておられます。
ま、本来の「預言者」("予言者"ではない)は、その預言が外れたら死刑ですよ。
その歴史を考えたら、ヘタに予言なんか言わない方がいいですね。
そう、真にスピリチュアルな人は、決して人々の恐れを煽るような言動はしません。
たとえ何かのネガティブな予感や直感が働いたとしても、それを軽々しく語りはしないんです。
それどころか、その出来事が現象化しないために、密かに“浄化”を行うのが本来のあり方です。
たとえば、目に見えない潜在的な領域──潜在意識や霊的な領域で発生しているエネルギーを、現実に現れてしまう前にクリアにする。
それができる人こそ、本当に信頼できるスピリチュアルの実践者なんです。
ネット社会では情報が一瞬で拡散されます。
だからこそ、本物のスピリチュアリストほど発言には慎重であり、軽薄なスピリチュアルかぶれほど自己アピールしたがります。
不用意に断定的なことを言うような人は、すでにその時点で“アウト”ですよ。
幸い、私は人の波動(オーラ)はある程度観えても、予言は全くできないので良かったです。
2025年7月の大災害予言──マジでくだらない、どうでもいい話です。
起これば起こったで仕方がないし、起こらなければそれでよし。
当たった当たらないの議論も、本質的にはどうでもいいこと。
いずれにしても、生きてりゃ何かは起こりますって。
まして現代は世相がめまぐるしく変化していく時代なのですから、それに伴って天変地異も起きやすいといえるでしょう。
そんな時代に生まれたということを受け入れて、淡々と今日できることをやっていくしかないです。
では、今回は以上です。
ありがとうございます。
改めて、今回の文字起こしの要点
- 2025年7月の「大災害予言」は、根拠に乏しく人々の恐れを煽るだけの無意味な情報である。
- こうした予言に反応してしまう背景には、私たち自身の中にある“無意識の恐れ”がある。
- 本当に大切なのは、未来を予測することではなく、「今日一日を淡々と誠実に生きること」である。
なお、YouTube(Podcast)は今回の文字起こし編集でカットした部分もあります。
なのでこちらも聞いていただけると、より理解が深まります。
※この下に「音声プレーヤー」があります。倍速再生も可能ですし、YouTubeより通信量も少ないし、スマホを画面オフにしても聴けるので便利です。
