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第298回:スピにハマって大金を失わないための注意点・前編/『しくじり先生』浜田ブリトニーさん回より

※ウェブサイト『マジスピ』には音声の文字起こし(読みやすく加筆修正済)があります。

■今回の内容は『しくじり先生』がネタ元です(https://www.youtube.com/watch?v=cexZoONtlvM

■YouTubeではメモ、資料、スライドなどを映していますが、音声プラットフォームの「ながら聞き」でも十分ご理解いただけると思います。

※今回使った資料は以下からダウンロードできます
https://x.gd/iXgsG

ウェブサイトでは最下部に音声プレーヤーがあります。倍速再生も可能ですし、YouTubeより通信量も少ないし、スマホを画面オフにしても聴けるので便利です。

■マジスピ・サブラジオ(stand.fmで配信中)
https://x.gd/o4EIt

■ご感想・ご質問は『アンケートフォーム』からどうぞ
https://x.gd/Mp7Lg

そもそも「スピリチュアル」の語源や由来とは何なのか?

今回の文字起こしの要点

  • 悪徳占い師の心理テクニック「バーナム効果」「コールドリーディング」は古典的なやり方。知っておけば心の予防線になる。
  • イケてない占い師はリピート回数を増やすため、お客を脅かしたり持ち上げたりしてくる。「おかしい」と思ったら、すぐに立ち去ること。
  • 霊感商法を仕掛ける占い師、霊能者、宗教団体などは大きく批判されて当然だが、それを支えているのは依存心の強い人たちであることも忘れてはならない。

今回は、珍しく人気テレビ番組『しくじり先生 俺みたいになるな!!』を取り上げます。

たまたまネットの記事で「スピリチュアル回」が放送されたことを知ったので、最新回だけ無料で見れるアベマTVでチェックしました。

『しくじり先生』の公式YouTubeチャンネルをこの上に貼り付けました。

ここから番組の一部を見ることができます。

出演されていたのは、漫画家の浜田ブリトニーさんです。

彼女が「霊感商法に騙されて1500万円を失った」「スピリチュアルにハマる人は実はこんな人」というのを語りました。

前回の配信は「悪徳占い師」について取り上げたばかりだったので、まさにタイムリーな内容でした。

今回と次回の2回に分けて今回の内容を取り上げていきます。

映像のすべては公開できないので、今回は番組の内容のメモをもとに話します。

※今回使ったメモは以下からダウンロードできます
https://x.gd/iXgsG

かつて浜田さんはスピリチュアルにドハマりした結果、1500万円を散財し、多くの友達を失い、5000時間以上もの膨大な時間を無駄にしてしまったということです。

これは職業柄、私もときどき聞く話です。

番組ではまず「スピリチュアルとは何か?」について説明されていました。

「スピリチュアル」とは、ラテン語の「スピリタス」または「スピリトゥス」(spiritus)に由来する言葉です。

お酒の「スピリタス」(非常にアルコール度数の高い酒)もこの言葉が語源ですね。

ChatGPTに「spiritus」について聞いてみると、以下の回答でした。

spiritus はラテン語で、

「息」「呼吸」「風」「霊」「魂」

などを意味します。

語源的には、以下の動詞に由来します:

spirare(スピラーレ):「息をする」「呼吸する」「吹く」

つまり、spiritus は「息(breath)」や「吹くこと(blowing)」から派生した言葉です。

 

ラテン語における spiritus は、主に以下のような意味を持っていました:

①物理的な「呼吸」や「風」

 自然界の「風」や「空気の流れ」、生き物の「呼吸」のこと。

 命の証としての「息」。

②生命や意識の象徴(=霊)

 「魂」「精神」「霊魂」など、肉体に宿る生命力や意識。

 キリスト教では「聖霊(Spiritus Sanctus)」としても使われます。

③意志・情熱・勇気

 「気力」「心の勢い」「情熱」など、内なる動的なエネルギー。

 転じて「元気」や「気質」という意味でも使われました。

スピリチュアルにハマりやすいのは、ある程度お金に余裕のある30代後半から50代の女性とのこと。

この層にどうやって財布を開けてもらうかという「霊感商法のテクニック」について、番組で紹介されていたことをもとに解説していきます。

詐欺的手法にはいくつかパターンがあるので、知っておけば転ばぬ先の杖となります。

……あ、これから述べることは私は決してやっていません(笑)

だからここで語れるわけです。

その前に、私も知らなかったのですが、「占いコンサルタント」という職業があるようですね。

世の中にはいろんな占い師がいますし、玉石混交なので、誰を信頼していいのかわからない。

そこに顧客と信頼できる占い師をマッチングする「占いコンサルタント」という職業が成立するわけです。

その紹介料・仲介手数料としてマージンを得るようです。

私は人の波動/オーラを見て真贋を鑑定する仕事をやっているので、私もやろうと思えば「占いコンサルタント」ができそうですね(笑)

まぁ実際に「この占い師、霊能者、宗教家は信頼できますか?」という相談はよくいただくので、すでにやっています。

で、この占いコンサルタントが用いる手法として、例えば以下のようなセールストークが紹介されていました。

  • 「この人気占い師さんは、基本的に予約がいっぱいで受けてもらえません。でも私からの紹介なら、特別に占ってもらえますよ」
  • 「この占い師は完全紹介制なので、それだけ人気なんです」
  • 「芸能人の〇〇さんも通っているんですよ」

なるほどね。ありそうな話です。

とはいえ、もし占いコンサルタントが占い師と癒着していたらどうなんでしょうか?

高い手数料の見返りに、大して力のない占い師を紹介されていたとしたら?

……と、私は疑ってしまいますね。

占いで悪用される心理テクニック『バーナム効果』『コールドリーディング』

次に番組で紹介されたのは、「くだらない心理テクニック」でした。

番組内で紹介されていた例としては、次のようなフレーズ。

バーナム効果とは?

  • 「あなた、今お仕事のことで悩んでいませんか?」
  • 「人間関係で不安を感じていること、ありますよね?」
  • 「家族のことでトラブルを抱えていますよね?」

こうやって「誰にでも当てはまりそうなことを言って、クライアントに "言い当てられた" と思わせる効果を狙ったもの」を【バーナム効果】と言います。

冷静に考えれば「そんなの誰にでもあるやろ!」とツッコミたくなりますが、実際の占いの現場では、なかなか冷静ではいられないんですよね。

例えば、薄暗い部屋で雰囲気のある小物が並んでいて、占い師と向き合っている。

その上で、自分が心理的に弱っているとき。

そんな状況で「あなた、〇〇に悩んでいますよね」と言われると、「ああ、当たってる……」と疑いなく受け入れてしまう人は少なくない。

「そうなんですよ……、実はいま、ちょうど上司とトラブルがあって……」

「そうなんですよ……、実はいま、離婚調停中でして……」

というように、自分の心の内を占い師に明かしてしまう。

そこで占い師は深く、ゆっくりと相槌を打っていればOKというわけ。

番組では紹介されていませんでしたが、この【バーナム効果】は「コールドリーディング」というテクニックの一つです。

コールドリーディングとは?

「コールドリーディング(Cold Reading)」とは、事前に情報を持っていない相手に対して、あたかも相手のことをよく知っているかのように見せかける話術やテクニックのことを指します。

例えば、

■相手の反応を見て言い直す

例:「最近、人間関係で疲れていませんか? いや、もしかすると家族との距離感かもしれませんね」

→ 相手の表情や反応から徐々に「正解」に寄せていく。

選択肢を与えることで、相手に自己開示させる

例:「過去に何か大きな転機がありましたね。それはお仕事か、ご家族に関係ありますか?」

→ 質問の形で相手の情報を引き出し、まるで言い当てたかのように見せる。

といったテクニックです。

これは昔から言われているもので、検索すればさらにいろいろ情報が出てきますので、ご興味のあれば調べてみてください。

本当にくだらないテクニックなんですが、一定数の人はこれに引っかかってしまうんでしょうね。

だから、今でもこの手法を使う占い師は存在しているはずです。

まぁ、個人的には人間はそこまでバカではないと思っています。

「浮わついたスピリチュアル」に波長が合う人の中には、あまり知性のない人がいるでしょう。

そういう人はコールドリーディングでチョロまかせるかもしれませんが、万人は無理でしょうね。

薄っぺらいテクニックは、やっぱり見抜かれてしまいますよ。

私はまともな心理カウンセリングをずっと学んできているので、こういう小手先のテクニックでクライアントと短期的な関係を築くなんてやり方は、本当に信じられません。

当たり前ですけど、占いのテクニックや心理テクニック以前に、お相手と真剣に向き合うことです。

結局、そうして培った関係性の方が長く続きます。

小手先のテクニックで目先の利益を獲りにいくなんて、まさに「運気が下がる」やり方ではないでしょうか。

バカじゃねーの、って思いますね。

スピリチュアルビジネスをリピートさせる仕掛け

さらにスピリチュアルをこじらせていくと、今度はこうなります。

占い師に「あなたを天使のオーラで包んであげるわ」と言われ、「誘導瞑想」が始まります。

(「オーラ浄化」と称して "手かざし" っぽいことをする占い師もいます)

「さあ、今から目を閉じてください」

「天井から白い光のエネルギーがあなたを包み込んでいます」

といった感じです。

「誘導瞑想」は、心理学で言う「イメージワーク」なので、別に変なシロモノではありません。

誘導瞑想は向き不向きがありますが、こういうのが好きな方は体感覚的に何かを感じることが多いでしょう。

そうなると、「本当に天使がいるんだ。私のそばにいるんだ」と思ってしまう人も出てくるでしょう。

あくまで「個人の感想」なんですが、自分がそう思うんだったらそうだということ。

ただ、番組で紹介されていたのは、その「天使の効果」は2週間だそうです。

えらくケチな天使ですね(笑)

「天使のバリア」が解除されないために、2週間に1度はその占い師のもとへ通わなければならないようです。

誘導瞑想なんて慣れたら自分でやりゃいいんですけど、こうやって無理にリピートを促していくんですね。

露骨に恐怖心を煽ってリピートを促す手口ではないものの、「2週間で効果が切れる」とほんのり恐怖心を突いていることは同じです。

あなたはこれをバカバカしい茶番だと思うに違いない。

けれども、さっきと同じことを言いますが、気持ちが弱っているとき、誰にも言えない話を親身に聞いてくれる人がいるとき、「この人なら信頼できる」と思ってしまうタイプの人もいるんです。

こういうタイプの人には、「もっと守られたかったら、このパワーストーンを身につけるといいよ」と言って、占い師はさらに売上を伸ばすわけです。

パワーストーンの大半はそれほど波動が良いとは言えないのですが、「この占い師さんのオススメだったら」と買ってしまうわけです。

私は今のところやっていませんし、今後もやらないと思いますが、スピリチュアルビジネスとしては物販を取り入れるとより良い。

パワーストーン以外には「お清めの塩」や「波動水」なんてものもあります。

この「波動水」は、500mlのペットボトルにも満たないような小さな容器に入っていて、数千円から数万円で販売されることもあるんですよ。

塩や水は消耗品なので、立派なリピート商材です。

本当に信用がないと買ってもらえないのでボロい商売とまでは思いませんが、中には買ってくれる人もいます。

で、スピってしまっている人はパワーストーンを買ってから、たまたま「満員電車で目の前の席が空いた」とか「欲しかった服がたまたまセールでしかもラスイチだった」とか "ラッキー" が起これば、「これはこのパワーストーンのおかげだ!」と自分の都合よく解釈してしまうわけです。

こういうのは、スピリチュアルにハマっている人にとっては実に楽しいお遊びなんです。

「おいおい、ちょっと冷静になれよ」って思いますけどね。

そのノリで次に占い師に会ったとき「最近、運気が上がってきた気がするんですよね」と言うと、占い師は

「すごく良くなってるね」

「パワーストーンの効果があったね」

「天使が守ってくれてるわよ」

と相手の気持ちをくすぐる言葉を出す。

依存心がある限り、悪徳スピリチュアル・霊感商法はなくならない

さらに番組では、霊感商法のレベルが上がっていきます。

  • 「あなたの運気が悪かったのは、ご先祖様が過去に犯したネガティブな行為、いわゆる“カルマ”のせいです」
  • 「ご先祖様のカルマが、あなたの今の不調を引き起こしているんです」
  • 「だから、それを浄化しなければいけないわ」

これは「定番」のやり方ですね。

ただ、因果論(カルマ説)は伝統的な宗教が説いていることでもあるし、日本でも「因果応報」の考えは一般レベルにも浸透しているため、普通の人はなかなか反論しにくい。

個人的には、カルマ説のような「運が悪いのは先祖の因縁かもしれないし、そうじゃないかもしれない」という曖昧な表現はしたくありません。

もし「運気が悪い」と感じているなら、それを改善するための「現実的な方法」を考えた方が、よほど地に足がついています。

まぁそんな常識的なことは「スピリチュアル沼」では一切通用しません(汗)

この「カルマ浄化」「カルマ落とし」のために、番組では「前世の誘導瞑想」が紹介されていました。

「瞑想の中であなたのハイヤーセルフ、守護霊、大天使と出会って、カルマを断ち切るのよっ!」

私はこういう世界から遠い場所にいるので、文字通り "遠い目" で番組を見ていました。

これに関連するやり方としては、

「大天使ミカエルの “聖なる剣” によって、今、あなたの "カルマのコード" は断ち切られました。ありがとうございます」

と、それっぽい儀式をする人もいます。

傍から見ていると子どもじみていて笑ってしまいそうですが、こういうのは本当に存在します。

(私もスピリチュアルを学びたての頃は、こういう講座を受けていました。今となっては全く役に立っていませんが……)

こういう類のものに共通しているのは、占い師や霊能者にお願いして浄化してもらう、という依存的な態度です。

もし「悪いカルマ」というのが本当にあるとしても、それを解消していくのは自分自身なんです。

占いやスピリチュアルというのは、そのヒントやサポートをもらいに行くだけです。

けれど「パワーストーン」も「天使」も、「これに頼れば、全部うまくいく」という発想ですよね。

まぁこういった「目に見えない世界」が好きな人もいるので、あくまでエンタメと割り切って楽しむなら良いでしょうが、真剣で深刻な問題であるほどその解決には全く役に立ちません。

浜田ブリトニーさんが本当に運勢を改善したのは、「スピリチュアル沼」から足を洗ってからのようです。

結局、そういうことですよね。

「運が悪い」という認識の背後には、満たされない欲望、足るを知らないエゴが潜んでいる可能性が高い。

そういう心の世界を見つめることこそ、真のスピリチュアル(マジスピ)のはずなんですが、どうも「スピ業界」というのは依存させる方向に行きがちです。

また、そこには「何かに依存したい人たち」がいるからこそ、まさに「依存ビジネス」が成立してしまう。

「怪しいスピリチュアル」は、悪徳の占い師や霊能者ばかりが批判されがちです。

ただ、一方でそういう「怪しい世界」を求めて彷徨っている人たちもいることを、忘れてはならないと思いますね。

この『しくじり先生』は軽いバラエティ番組ですが、あなたは「しくじる」ことのないよう気をつけていただければと。

今回は以上です。

ありがとうございました。

改めて、今回の文字起こしの要点

  • 悪徳占い師の心理テクニック「バーナム効果」「コールドリーディング」は古典的なやり方。知っておけば心の予防線になる。
  • イケてない占い師はリピート回数を増やすため、お客を脅かしたり持ち上げたりしてくる。「おかしい」と思ったら、すぐに立ち去ること。
  • 霊感商法を仕掛ける占い師、霊能者、宗教団体などは大きく批判されて当然だが、それを支えているのは依存心の強い人たちであることも忘れてはならない。

なお、YouTube(Podcast)は今回の文字起こし編集でカットした部分もあります。

特に今回は暑かった内容がくだらないので、文字起こしでは全体の3分の1程度をカットしました。

もし余裕があれば、以下のフル音源を気楽な気持ちで聞いてみてください。

※この下に「音声プレーヤー」があります。倍速再生も可能ですし、YouTubeより通信量も少ないし、スマホを画面オフにしても聴けるので便利です。

マジスピラジオ:脱・お花畑の「真のスピリチュアル」を追窮します
マジスピラジオ:脱・お花畑の「真のスピリチュアル」を追窮します
第298回:スピにハマって大金を失わないための注意点・前編/『しくじり先生』浜田ブリトニーさん回より
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