- 「現世での苦悩の原因は過去世から積み上げたカルマである」というカルマ論(因果論)を中途半端に採用すると気分は暗くなりがち。
- 恋愛・パートナーシップの苦悩は「ただ耐えること」だけでなく、「逃げること」「関係を整理すること」こそ魂の学びである場合もある。
- スピリチュアルな教えを守ることが目的になってしまうと、身動きが取れなくなることがある。「カルマ論」は考え方の一つに過ぎない。
スピリチュアルカウンセラーの林 昭裕です。
人やモノの波動(オーラ)がわかる特殊能力をベースに活動しており、ここでは【マジスピ】(真のスピリチュアル・脱お花畑スピリチュアル)をテーマに情報発信しています。
今回はスピリチュアル的な視点から観た恋愛について述べます。
過去のブログ『ソウルメイトの不都合な真実』では、いわゆる【過去世からの深い因縁】によって恋愛やパートナーシップの縁が与えられる場合がある、ということを述べました。
ただし、私は「過去世」というのは事実ではなく、あくまで〈物語〉であると考えています。
仕事として『過去世リーディング』を行っていますが、そこでお伝えする内容を受け取るか受け取らないかは、相談者さんの判断に委ねられています。
そもそも客観的に証明できない領域なのですから。
ただ確実に言えることは、恋愛やパートナーシップの関係になるというのは、過去世がどうかはさておき「深い縁」だということ。
それさえ理解しておけば、「過去世の物語」は補足に過ぎません。
自分で自分の仕事を否定していますね(笑)
ただ、スピリチュアルや宗教をヘタに学んでいると「過去世」に囚われてしまい、何も知らないよりかえって苦しくなることがあるので、そこは注意しなければなりません。
というのも、伝統的な宗教でよく言われる
「現世で味わう苦悩は、過去世から作ってきたカルマが原因である」
という考え方は、恋愛やパートナーシップで苦悩している人にとっては、あまり心の支えにならないことがあるのです。
この考え方は、
「現世での苦悩を通じ、過去世から作ってきたカルマという "借金" を返済しているのだから、それを徹底的に理解するところに心の安らぎがある」
と続きます。
これはよく言われることなのですが、本当に理解することは難しいでしょう。
恋愛やパートナーシップで深い苦しみの中にいる人にとって、
「あぁ、これは過去世のカルマだから仕方ない。真っ暗なトンネルを抜けるまで耐えなければならない」
と強がりでなく本当に素直に受け止められる人は、スピリチュアル的な理解をかなり深めておられるか、そもそも素直な感性を備えている人に違いない。
そんな人は少なく、多くの人は「過去世からの積み上げてきたカルマが、今の自分を苦しめているのか・・・」なんて考えると、暗くなってしまうのですよ。
というのも、もし「過去世のカルマ」が本当に現世の苦悩の原因だとすれば、今の自分ではそれを変えることはできない無力感がつきまとうからです。
「避けることのできない苦しみ、いつ晴れるかもわからない痛みに、どれぐらい耐えなければならないのだろう・・・」と思うと、そりゃ普通は暗い気持ちになりますって。
もし徹底的にあきらめることができればかえって明るくなれるのですが、それはかなりの上級者だけができること。
普通は「抜け出せない牢獄に閉じ込められたような気持ち」になってしまい、暗くなりがちなのです。
カウンセリングにおいても、スピリチュアルに真面目な人であるほど恋愛やパートナーシップの苦悩において
「私の魂の修行だと思って、ただ耐えなければならないのでしょうか・・・」
とおっしゃる方がおられます。
こういう方が誠実であることは間違いないのですが、これだけだと現世はしんどい。
もしそうしたいなら、とことん徹底的に突き詰めなければなりません。
さっきも述べた通り、それに徹することができれば怖れがなくなるので、かえって明るく生きられます。
それも「魂の修行」と思えたらいいですけど、私は個人的にはやりたくないですね(笑)
目次
カルマ解消の方法は「耐えること」ではなく「逃げること」が有効な場合も
例えば、付き合っている相手がどうしようもないクズだとか、パートナーがギャンブルやお酒やドラッグにハマってどうしようもないとか、キャバクラや風俗に狂ったように通っているとか、夢ばかり追いかけてまともに働こうとしないとか、相手から与えられる苦しみや悩みがあります。
これらはすべて、実際にご相談いただいています。
「それでもワタシが支えてあげたい」と心から思えたらいいのですが、あまりそういうケースは少なく、だんだん疲弊してくるのはよくあるケース。
中には言葉の暴力だけでなく、物理的な暴力を振るう相手もいます。
それを理性的な話し合いで解決しようと思っても、その話し合いすらできなかったり、それどころか「いちいち口出しするな!」と逆ギレされることもあります。
ちょっと何か言おうものなら、「もう別れる!」「離婚だ!」「出ていけ!」とシャットアウトする人もいます(できる勇気もないくせに)。
もしあなたがこういう関係性に陥ったとき、「これも過去世のカルマが原因なのだろう」と徹底的に引き受けることができるでしょうか。
多くの場合、現実の深刻さを前にして教えの理解がぶっ飛んでしまう。
「本当にこれが過去世のカルマだったら、もうやってられないよ・・・」
と思うのが普通だと思いますね。
でも、真面目な人であるほど「教えを実践できない自分」を責め、さらに苦しんでしまうこともあります。
このウェブサイト『マジスピ』は〈真面目なスピリチュアル〉をコンセプトにしてはいますが、それは「クソ真面目」や「バカ正直」になることではありません。
もし「カルマ論」に徹することができるなら「魂の修行」と思って徹底的に実践すればよい。
どんな理不尽な目に遭っても「魂の磨くための試練」と思い定め、むしろ感謝の念でもって受け止めることができたら、周りからバカと思われようが、魂としては実に立派です。
でも、もしそれができないのであれば「落とし所」を考えなければなりません。
もし恋愛やパートナーシップにおける葛藤に対し、理性的な話し合いがどうしてもできないのであれば、別れを念頭に置くことです。
これに子供のことや経済的事情も絡んでくると話が複雑になってきますが、「ただ耐えること」だけでは解決にならないなら、他に信頼できる専門家や窓口に当たることも大事です。
カルマ解消の道は「ただ耐えるだけ」ではなく、「積極的に立ち向かうこと」も含まれます。
誤解を怖れずに言えば、「逃げること」こそ場合によっては最適解かもしれないのです。
真面目なスピリチュアルや宗教に共感できる人は「心のやさしい人」が少なくありません。
その純粋さはもちろん素晴らしいのですが、反面「現実と格闘する意志」に欠けることも。
最も大事なのは、「教えを現実世界で泥臭く実践すること」です。
神仏に祈ったり瞑想したりすることも大事なのですが、それはあくまで自己完結できること。
恋愛やパートナーシップにおいては相手も同じように純粋で素直とは限らないので、「心がやさしい」だけではそこにつけ入れられる懸念があります。
「ただ耐えること」の心の優先順位が高いと、表面的には穏やかになることもありますが、葛藤や苦悩が消えるわけではないので結局は苦しい。
お互いに支え合い、成長・成熟し合う関係性でなければ、恋愛やパートナーシップとしては失敗です。
「ただ耐えること」によって相手がその忍耐強い愛情に心を打たれることもあるかもしれませんが、相手がどうしようもない人間であるほど残念ながらそうはならないでしょう。
そのときは関係性を整理することも、次のステップとしては必要なのです。
繰り返しますが、カルマの解消とは「ただ耐えること」だけではないこと、特に真面目な自覚のある方は深く理解しましょう。
スピ系がやりがちな恋愛・パートナーシップにおけるNGワード
このような悩みを占いやスピリチュアルカウンセリングの場で打ち明けると、センセー側から
- 「その苦しい関係は、過去世のカルマだから受け入れるしかないのよ」
- 「全部あなたがまいた種なんだから、あなたに責任があるのよ」
- 「あなたが変われば、相手も変わるのよ」
なんて "正論" を言われることがあります。
すでに述べた通り、これは考え方の一つに過ぎません。
あなたが変わったからといって、残念ながら相手も変わる保証はない。
こういうのは「あくまで考え方の一つなんだ」という理解がないと、真面目な方ほど無理にそれを受け止めようとするか、それができずに自分を責めてしまう。
厄介なのは「カルマ論」には一定の説得力があるので、反論しにくいのです。
反論しにくいがゆえに、凡庸な占い師やスピリチュアルカウンセラーは「カルマ論」を言いたがります。
そうやってマウントを取ることで、主導権を握るのです。
でもすでに述べた通り、
過去世に現世の苦悩の原因があるとする因果論(カルマ論)は、スピリチュアルな物の見方の一つに過ぎない。
恋愛やパートナーシップに限らず、親密な関係性であるほどお互いが成長・成熟できなくなれば、それは解消した方が良い。
バンドやアイドルやグループ団体にしても、お互いの方向性や成長が感じられなくなりマンネリに陥ったら解散せざるを得ません。
「因果論」に縛られて苦悩の解消が滞ってしまうなら、そんなもの採用しなくていいのですよ。
もっと柔軟に考えた方がいいです。
恋愛やパートナーシップの苦悩が自分を成長・成熟に向かわせるという自覚があるなら「カルマ論」を採用してもいいでしょうが、そうでなければモードを切り替えなければなりません。
ただ不快なだけの関係なら整理した方が良いし、それに伴う面倒を乗り越えることがそのときの「真の課題」であることもあります。
宗教やスピリチュアルにはいろんな教えがありますが、人間と同じように「適材適所」があります。
それを多角的に検討するということが、本来は「スピリチュアルな智恵」であるはずなのです。
とはいえ何が「適材適所」なのかはケースバイケースですし、一人ではなかなか考えにくいことでもあるので、カウンセリングではよくこういうご相談をいただきます。
ちょうどこれを書いている本日も、パートナーシップのご相談にお応えしていたのでした。
ご参考になれば幸いです。
- 「現世での苦悩の原因は過去世から積み上げたカルマである」というカルマ論(因果論)を中途半端に採用すると気分は暗くなりがち。
- 恋愛・パートナーシップの苦悩は「ただ耐えること」だけでなく、「逃げること」「関係を整理すること」こそ魂の学びである場合もある。
- スピリチュアルな教えを守ることが目的になってしまうと、身動きが取れなくなることがある。「カルマ論」は考え方の一つに過ぎない。