禅タロットリーダー養成講座、格安でリーディング付きの体験会を行っています。

引き寄せの法則を実践すると不幸になりかねない理由。「自分らしさ」「ありのままの自分」を意識するだけでは、きっと現実は変わらない。(『Happiness 幸福の探求』ブックレビューその3)

シンギング・リン

こんにちは。

波動カウンセラーの林 昭裕です。

今回も「前回のブログ」に続き、以下の本のブックレビューをしていきます。

『Happiness幸福の探求―人生で最も大切な技術』(マチウ・リカール著)

※前回のブログ

心の底から幸せを感じて生きる根本的な心構え。理想の夢、目標、願望の「引き寄せ無限ループ」に疲れたら考えたいこと。(『Happiness 幸福の探求』ブックレビューその2)

あと数回はこの本のレビューをするので、しばらく地味なブログエントリーが続くでしょう。

でも個人的には、スピリチュアルにありがちな「金運・恋愛運アップ」や「引き寄せの法則」などより、ずっと大事なことだと思っています。

というわけで、まずは前回の復習となるような一文を引用し、今回の内容に入ります。

自分を慈しむことは、人生を慈しむことに他ならない。それは他者を幸せにすることが自分を幸せにすること、という法則を理解することの基本である。

 

生きとし生けるものすべてを慈しむ心をもって、あらゆる瞬間に深遠な幸福と叡智に満たされた境地に到達すること以外、人生の目的があるだろうか。

ないっすよねセンパイ・・・ってことで今回の内容へ。

「引き寄せ」は実はスピリチュアルとは似て非なるもの

最初に、最近はネタが重なってしまうんですが、

「引き寄せの法則」

に対して冷静に検討してみましょう。

長くブログを読んでくださっている方は「また引き寄せか~」と思うかもしれませんけど、毎回少しずつ視点が違うので、復習も兼ねてご参考にしていただければと思います。

心の内側に生じる問題で精神が錯乱すると、それを鎮めようとして、本能的に外側に救いを求めてしまう。これが幸福の条件と想定して、その条件を満たすために当座しのぎの処方で人生の大半を浪費してしまう。

 

一時的な幸福を追い求め、それが首尾よく手に入ることもある。だが、外的な状況の質、量そして持続時間を自分でコントロールすることは絶対できない。

 

それらは人間が共通して望む状態であることは誰も否定しないだろう。ただし、外的状況のみに希望を託せば、必ず失望することを覚悟しなければならない。

 

(読みやすくするため、文章の一部を改変しています)

私、この部分を読んだとき、思わずニコニコしてしまいました(^^)

だって、「引き寄せ」に対して警笛を鳴らしておられるようにも受け取れるからです。

「引き寄せ」っていう言葉は、実はけっこう面白い。

これ、

「引いて、寄せる」

って書くじゃないですか。

じゃ、"どこ" から引いて寄せるの? と聞かれたら、論理的に考えれば「外側から」ってことになりますよね。

なので、「引き寄せ」という言葉を使うってことは、たとえ無意識だとしても「外側から引き寄せる」ってことを言語的に示していることになる。

で、著者のリカールさんは「外的状況のみに希望を託せば、必ず失望することを覚悟しなければならない」っておっしゃっているわけでしょ。

そりゃそうですわな、「外的状況にのみ希望を託す」っていうのは、裏返し「内側の世界は全然足りていない」ことを示しているんだから。

なので、「外側から引き寄せること」だけを求めれば求めるほど、不幸になっていくわけです。

スピリチュアル好きや専門家で「引き寄せの法則」を語る人たちは、この落とし穴に対してどれぐらい慎重でしょうか?

ま、たぶんそんなに意識してねーんじゃないかな。

なので、私は人の波動(オーラ)を名前を聞いただけでもわかるヘンタイなんですが、ときおり「引き寄せ」を語る人を拝見していると、めっちゃ波動が重たい人がおられるんです。

皮肉にも「引き寄せ」を求めるがゆえに、波動は重たくなっているのかもしれない。

誰とは言わんけど、引き寄せを世に広めたと言われている「あの人」だって、波動が重たいもん。

無理すんなって、そろそろ「引き寄せ」にも飽きただろうって。

とはいえ「引き寄せの法則」というのはいまだにパワーワード、つまり注目を集めるにはまだまだ使えるキーワード。

だって私も含めた大半の人は、望みを現実化したいもんね。

マーケティング用語に【HARMの法則】っていうのがあります。

もしかしたらご存知かもしれませんけど、これは

H:Health・・・健康、美容、容姿

 

A:Ambition・・・将来、夢、キャリア

 

R:Relation・・・人間関係、恋愛、結婚

 

M:Money・・・お金

という「人の悩みを4種類に分けたもの」なんです。

で、何かセールスしたり関心を引きつけたりするには、この4つの何かにヒットできれば、関心を引きつけやすい。

実は「引き寄せ」って、この4つすべてに該当してるんですよ。

だから、いくら「引き寄せ本」が出回ったところで、本当に引き寄せが成就できている人は少ないにもかかわらず、今日もきっと『この方法で引き寄せが成就する』的なコンテンツが生まれているわけです。

ただ、そろそろ気づこうぜ。

私たちが「外側にのみ幸福を求める」マインドから「引き寄せの法則」に引き寄せられちゃうのは、全然スピリチュアルじゃないんだっつーの。

真のスピリチュアル(マジスピ)に向かう第一歩は、スピ業界で一般的に語られている「引き寄せの法則」を超えていくところにある。

なので、私は前回のヒーリングに関するラジオ動画の冒頭でもしゃべったけど、「引き寄せには特に興味ない」わけです。

マジでどうでもいい。

第111回:ガンなど難病へのスピリチュアルヒーリングについての根本的な考え方。効果効能は一切保証できないが、中には不思議なケースもある。常識的な医療を選び、生活習慣を改めた上で考えましょう。

真にスピリチュアル的な態度というのは、引き寄せが起ころうが起こるまいが、自分に与えられた現実や環境を、なるべく丁寧に生きていくこと。

「丁寧に」というのは、「前々回のブログ」でも述べた通り、

「内側の平静さ、今この瞬間の気付き、利他の心に根ざした愛、といった人間に本来備わっている能力」

という魂に根ざした価値を、ままならぬエゴを抱えた身ながら、なるべく発揮して生きていくこと。

もちろん「外側」に幸福を求めるのが絶対ダメってわけじゃないけど、それ "だけ" だとしんどいよね、不幸になるよね、という話です。

「自分らしく」「ありのままに生きる」には技術と修練が必要

そして、この本には「引き寄せ」の他に、スピリチュアル学習者が注意したいヒントが書かれています。

引用しましょう。

満足と不満、静寂と興奮、熱意と無気力の間を永遠に揺らめく振り子の状態に甘んじ、その一方で、衝動や性癖を野放しにしておくことが「自分らしい」という解釈なら、それは安易な解決策または妥協、もっと悪く言えば屈服でしかない。

 

たしかに「自由な自己表現」は、衝動をあるがままに自由に振る舞わせることで、精神的な緊張を一時的に解くことにはなるだろう。しかし、常日ごろ繰り返すことで機械的になった習慣または性癖の罠から抜け出すことは容易でない。

 

幸福は技術であり、人間の在り様である。技術は訓練しなければ身につかない。

ここもいいですね~。

スピリチュアルだけでなく、大衆向け心理学のジャンルでも

・「自分らしく生きる」

・「ありのままの自分を生きる」

というキーワードはよく出てきますよね。

(そういえば、かつて「ありのーままのー♪」って曲が流行りましたね)

いや、別に否定したいわけじゃないんです。

「自分らしく、ありのままに生きる」ってのは、もちろんいいことには違いないんだから。

けれども、この種の言葉を聞くと、いつも疑問が湧いてくる。

・「自分らしい」って何なの?

・「ありのままの自分」って何なの?

と、ほぼ自動的にツッコミが。

あなたはこの問いに対し、即座に回答できますか?

・・・私は無理です(笑)

だって、「自分」という存在が何なのか、本当のところは知らないから。

なんで、自分は「自分」なんですか?

なんで、あなたは「あなた」なんですか?

これね、突き詰めていくと、怖ろしく「謎」なんですよ。

私は哲学についてはあまり知らないけど、この「自分」をめぐっては延々と議論されていることぐらいは知ってます。

ただ、一般的にはこのめんどくさい「謎」を横に置いといて、とにかく「自分らしく生きたい」ってところでしょうね。

なので、スピリチュアルや心理学、さらに自己啓発のセミナーなんか行くと、参加者全員で

「自分らしく生きよう!ウェーイ!!」

って大きな声で叫ぶシーン、あるあるですよね。

ノリとしては悪くないんですけど、これは注意しないとアカンのだわ。

実は「自分らしく生きよう」または「ありのままの自分を生きよう」的な呼びかけって、

・これまでガマンしまくって生きてきた人

・これまで親や目上などの権威・権力に支配・抑圧されてきた人

こういう人たちにとっては、「救い」を感じる言葉なんですよね。

なので、周囲の「スピリチュアル系コンテンツ」を見渡してみると、この種の表現を盛り込んだマーケティングメッセージが多いのに気づくはず。

業界で「売れている人」は、こういうことを上手に発信されているケースが大半です。

これもまた、先ほどの【HARMの法則】に照らせば、H・A・R・Mのすべてを満たすものではないでしょうか。

ただし「自分らしく」「ありのまま」という言葉に救われるのは、あくまで「癒しの第一歩」に過ぎない、とクールに認識しておくことが大事です。

というのも、さっき述べた通り、「本当の自分」の本当のところは、決してわからないからです。

多くの人は「自分」について、名前、肩書、年齢、容姿、国籍、などの「属性」によって説明しようとします。

でも、ここで言っている「自分」っていうのは、その属性によって示されるところの「自分」って何ですか? ってことを聞いているので、おそらく誰にも答えられない。

たいていは「え? ちょっと何言ってるかわからない」って言われて終わり。

じゃ、わからないから放置すればいいかというと、そうでもない。

著者のリカールさんが上の引用部分でおっしゃる通り、「幸福は技術であり、人間の在り様である。技術は訓練しなければ身につかない」んですよ。

言い換えれば、

「自分」という存在を、どこまでも掘り下げていくこと。

まだ見ぬ自分の内なる可能性を、できうる限り発揮していくこと。

ここに真の幸福がある。

これが「自分を生きる」最もスピリチュアルな心得になります。

「本当の自分」はわからないからこそ、「自分らしい自分」や「ありのままの自分」も、本当はわからない。

けれども、だからこそ無限に追窮できる余地があるわけですよね。

ただ「ありのままを自分を生きよう!ウェーイ!!」と叫ぶだけでは足りず、それには技術が必要であり、習得してレベルアップさせるには訓練しなきゃならん、ってことなんです。

「ありのままを自分を生きよう!ウェーイ!!」って叫ぶ段階にずっと留まり続けるとしたら、それは私がしょっちゅう言っている

「スピリチュアルお花畑」

なんですよ。

ちょっと補足しておくと、実は、お花畑(ファンタジー)には傷ついた心を癒やす側面があります。

心がやさぐれているときって、あまり考えないで楽しめるアニメやマンガやゲームに触れることで、癒やされたり気分転換になったりすることってあるじゃないですか。

私はかつてゲームが大好きな少年でした。

でも、大人になって子ども時代よりお金を自由に使えるようになった現在、ゲームに触れると確実に廃人になる自信があるので(笑)今はYouTubeのゲーム実況動画にときどき触れる程度に留めています。

最近のゲームは「これは映画か?」と感じるぐらい映像やストーリーがしっかりしているので、中には大きく心が揺れるものもあります。

もう何もしたくない・・・ってぐらい疲れているときは、私はずっとゲーム実況動画。

それによって、確かに癒される部分はあるんですよね。

割と最近見た『バイオハザード ヴィレッジ』のラストは、感動モノでした。

なので、いつも「お花畑」を批判的に言っているけど、本当は良い役割もあることを補足しておきますね。

けれども、もしゲームの主人公に自分を重ねる段階にずーっと留まっているとしたら、現実世界は何も変わらない。

現実の人生の主人公は「自分」に他なりません。

その意味で「自分らしく」「ありのままの自分」で生きることはもちろん大切です。

けれども、それはあくまで「主人公は自分なんだ」ということを認識した段階に過ぎない。

そこから私たちは、ゲームの主人公のように、目の前の困難や課題に取り組んでいくことが求められます。

その究極的な目的が「幸福になること」だとすれば、リカールさんの言う通り、「幸福になる技術を磨く必要がある」わけです。

スピリチュアル学習者は「自分らしく」「ありのままの自分」という言葉に満足し切ってしまわないよう、気をつけましょうね。

 

では、今回はいつもよりやや文字数が少ないですが、今回は特に重要なことに触れたつもりなので、ここまでにしておきましょう。

もうレビュー3回目ですけど、まだ本全体の7分の1しか進んでいません(笑)

この調子で進むと、10回を超えてしまうぞ・・・

うーん、途中で他のテーマに切り替えるか、それとも全10回突っ切るか、いちど考えます。

改めて、今回ご紹介した本は以下です。

写真と文字の両方にAmazonリンクを貼っておきますので、ご興味がある方はポチってみてください。

『Happiness幸福の探求―人生で最も大切な技術』(マチウ・リカール著)

******************

メルマガは次回で、139回目です。

無料メルマガに登録いただいた方には、「ブログでは話しにくい内容」だけでなく

 

 

1:「波動の良い本」のご紹介(約12,000字)

 

2:「波動を高めるモノ・コト」のご紹介(約17,000字)

 

3:「波動を高める食事」のご紹介(約21,000字)

 

4:「グループヒーリング」を受けられる権利(週1回)

 

5:キャンペーンや、無料 or 格安モニターを先行でご案内

というボリューム多めのプレゼントがあるので、ご希望であれば以下からご登録ください(解除はカンタンにできますのでご安心を)

※最近、メルマガが迷惑メールに入ったり届かなったりすることがあるので、その対策として【LINE公式アカウント】でも購読できるようにしています。

※iCloud系のアドレスは届かないようです

【メルマガ】【LINE公式アカウント】か、お好きな方をご選択ください。

(ただしLINEは情報漏えいのハイリスクが指摘されているため「サブ扱い」で、なるべくならメールでのご登録をおすすめしています)

※「iCloud系」「Hotmail系」のアドレスは高確率でメルマガをブロックしますのでご注意ください

ちゃんと登録できていれば、自動返信メールが届きます。

無料メルマガ 登録フォーム

 

【LINE公式アカウント】はスマホから以下を指でタップし、確認ボタンを押すだけで登録完了です。

友だち追加

またLINEの「お友だち追加機能」からQRコードを読み込んで登録することもできます。