- 大半の「引き寄せの法則」実践者はエゴの渇望感や欠乏感を動機としているため、たとえ成功しても心から満たされることはない。
- 「満たされないから、引き寄せたい」という欠乏動機(心理学者マズローの5段階欲求説)は、宇宙に対して「私は満たされていない」という波動を発信していることに注意。
- 生かされていることに対する「深い感謝」から湧いてくる成長動機が、「満たされた人生」を現象化することになる。
スピリチュアルカウンセラーの林 昭裕です。
人やモノの波動(オーラ)がわかる特殊能力をベースに活動しており、ここでは【マジスピ】(真のスピリチュアル・脱お花畑スピリチュアル)をテーマに情報発信しています。
今回も「引き寄せの法則」について考えていきます。
※「引き寄せの法則」に関する記事一覧
目次
エゴの動機から「引き寄せの法則」を始めると、必ず不幸になる
「引き寄せ」で注意すべきことはたくさんありますが、その中でも
「引き寄せ願望は、主に物質的な欠乏感・渇望感から生じている」
ということは、特に気をつけなければなりません。
「引き寄せたいもの」の代表例は、お金・豊かさ・仕事の成功です。
また恋愛・パートナーシップや健康に恵まれたい願望もあります。
これらを欲する動機は、わかりやすく言えば
「うらやましい。自分もああなりたい(でも現実的には難しい・・・)」
ということ。
例えば、
「高価そうな服やバッグを持っているあの人が、うらやましい・・・」
「仕事で成功して高収入で良い暮らしをしているあの人が、うらやましい・・・」
「素敵な恋愛・素敵なパートナーシップに恵まれてそうなあの人が、うらやましい・・・」
というように、大半の欲望は、他人との比較で刺激される欠乏感・渇望感から湧いてきます。
物質的な欲望の場合はわかりやすい。
一方、欲望の中には「精神性が含まれている場合」もあります。
例えば、
「自分も憧れの、あの作家のようになりたい」
「自分も憧れの、あのアスリートのようになりたい」
「自分も憧れの、あのアーティストのようになりたい」
というものです。
精神性を含んだ欲望はチェックが必要です。
もし、憧れの動機が「チヤホヤされたい」とか「高い収入を得たい」とかいうことであれば、物質的な欲望がメインですね。
一方、そのアスリートやアーティストが体現している哲学・スタイル・世界観・精神性・革新性に惹かれているのなら、「物質より高次元の欲求」が動機になっています。
また別の機会に詳しく述べるつもりですが、
真の引き寄せは、物質レベルを超えた「高次元の欲求」から出発しなければなりません。
そうでなければ、必ずエゴの欠乏感・渇望感に苦しむことになるでしょう。
私がいつも「引き寄せを安易に求めると、波動(オーラ)は暗く重たくなってしまいますよ」と言っている理由は、こういうことなのです。
大量消費社会である現代は、ボーっと生きているとメディアや広告によって物欲がどんどん刺激されてしまいます。
その具体例はここで言うまでもないでしょう。
そうして「より便利なものを!」「より豊かな暮らしを!」と求め続けているうちに、「ラクして成功したい」「できればあまり働かないで稼ぎたい」「不労所得や権利収入が欲しい」などの肉体的な快楽を求める欲望が肥大化してしまう。
中には上記のような「憧れの人物のようになりたい」という精神的な欲求もあるけれども、それですら「できればラクしてそうなりたい」「オレも(ワタシも)チヤホヤされたい」「売れっ子の芸能人みたいに贅沢な暮らしがしたい」などと、やはり肉体的快楽を求める欲望が中心となる。
そういう人たちに、ラクして成功できる幻想を与える「引き寄せの法則」はもってこいですね。
スピリチュアル業界の「スピリチュアル(魂・霊性・精神性)」は名ばかりで、お金やパートナーシップなどの「物質的欲望」を実現するための幻想のメソッドとして、「引き寄せ」は飽きずに喧伝され続けます。
スピ系の発信者も、大衆の抱えるエゴを刺激した方が閲覧数や再生回数を稼げるため、そういうコンテンツを多く発信したがる(私はやらんけど)。
そのようにして、欠乏感や渇望感をさらに深める人が多くなるわけ。
ただ、前回のブログでも述べた通り、願望の引き寄せ、夢の実現ができるのは「少数者」だからこそ、価値があるのです。
言い換えれば、「全員が夢や願望を実現するのは、原理的に不可能」なのです。
オリンピックで金メダルを取れるのは、一人だけですよ。
「成功者は一握り」という事実は「地上世界のルール」と言えるのですが、欲に目がくらむとわからなくなる。
そういう人は「ワンチャン、もしかしたら、自分だけは、なんとかなるかもしれない・・・」と淡い期待を抱く。
「ワンチャン」「もしかしたら」「自分だけは」と思っている時点で、「成功者は一握り」だという事実を本当はわかっているのですけどね。
そういう人の大半は成功できません。
(ついでに言えば、怪しい投資詐欺などに騙されやすい人と言えるでしょう。「自分だけは」うまくいくだろうと思って・・・)
自己啓発や引き寄せ本のハウツー本が売れる割に、本当に成功している人はとても少ないのです。
そうすると、今度は自分の運や能力のなさを嘆いたり、成功者を妬んだりする人が出てきます。
「『引き寄せ(の法則)』の通りにならなかったのはなぜだ???」「強く願ったはずなのに、宇宙に通じなかったのか???」と、自分を責めるか、今度は他者を責めることになる。
どちらにしても、それは欠乏感や渇望感というエゴから出発した「動物的人間」の、憐れなる末路なのです。
前にも述べた通り、引き寄せは決して「法則」ではありません。
ただ、それでも「引き寄せ」をやりたいなら、必ず低次元のエゴではなく「高次元の動機」から出発しなければ、必ず不幸になる。
たとえそれで運良く「成功」しようが、エゴから出発しているがゆえに波動(オーラ)は暗く重たくなる。
「波動の観えるスピリチュアルカウンセラー」として、そういう人を数え切れないぐらい観てきました。
それは「魂」として、完全なる敗北なのです。
「真の引き寄せ」は深い感謝と貢献の意欲から生まれる
そもそも引き寄せの法則というのは、
「自分の発する波動通りの現実を引き寄せる」
ということでした。
これは間違いではありません。
だからこそ、物質的な欠乏感・渇望感から出発してはいけないのです。
「まだまだ足りない」「もっと欲しい」「他人がうらやましい」という動機・・・
これは「自分にはない」ということを、宇宙に発信しているのと同じです。
「自分にはない」から、外側から「引き寄せて埋め合わせる」必要があるのです。
「すでに自分の中にある」のであれば、わざわざ外側から引き寄せたいと思うことはありません。
だから、不用意に「引き寄せたい」と思うほど、「自分にはない」という思いを宇宙に発信することになるのです。
その結果として、「自分にはない」という現象をさらに作り出すか、「自分にはない」という思いに苦しむか、あるいはその両方が待っていることでしょう。
たとえ運良く現象的には引き寄せられたとしても、「自分にはない」という思いを手放さない限り、欠乏感・渇望感がなくなることはありません。
引き寄せの法則の実践の中で、「すでにその夢を達成している、ワクワクしている姿を思い描こう」というのがあります。
※以前のブログでも批判的に紹介したことがあります
ただ、もし引き寄せ願望がエゴの欠乏感・渇望感から出発しているなら、いくらワクワクした感情を思い描こうと、まるで穴の空いたバケツに水を注ぐようなもの。
それを先のブログでは「偽りのワクワク」だと述べたのでした。
繰り返しになりますが、真の引き寄せとは、バケツに穴が空いてない状態、つまりエゴの欠乏感・渇望感ではなく、「高次元の欲求」から始めなければならないのです。
「高次元の欲求」は、「すでに満たされている状態」から自然と湧いてきます。
ここで、有名な「心理学者マズローの5段階欲求説」を引用します。
(引用元:マズローの欲求5段階説とは?各欲求を満たす心理学的アプローチを用いたサービス事例【図あり】)
この図を参考に述べると、「承認欲求」から下の4つ欲求はすべて【欠乏動機】です。
この4つの欲求が満たされて、はじめて「自己実現欲求」とその上の「自己超越」までたどり着ける(この2つは【成長動機】と言います)。
これがマズローの考え方です。
「引き寄せ」を実践したいなら、基本的な欲求が満たされた状態から始めなくてはなりません。
スピリチュアル的にわかりやすく言えば、
「感謝の気持ちから始める」
ということです。
生きていること、生かされていることへの深い感謝から、お世話になった人々に恩返ししたい気持ち、社会に貢献したい意欲から「引き寄せ」を始めると、エゴによって苦しむことは少なくなります。
苦しみが「ゼロになる」ではなく「少なくなる」と言っているのは、やはり私たちは「ままならぬエゴ」を抱えて生きているからです。
生きるとは、低次元の欲求(肉体)と高次元の欲求(魂)との葛藤であり、その葛藤を乗り越えて生きることがスピリチュアルな実践です。
これは決して簡単なことではありませんが、だからこそ価値があるのです。
いずれにしても、エゴの肉体を抱えながらも、なるべく清らかで、美しく、気高い欲求を抱いて生きることが、真の引き寄せの根本的条件なのです。
そして、高次元の欲求を抱き続けていると、渇望感・欠乏感に囚われにくくなるので、エゴの欲求を満たしたがる引き寄せとは距離を置けるようになります。
このとき、「自分にはある」「すでに満たされている」という波動を宇宙に発信していることになるので、その人は「満たされた人生」を現象化することになるでしょう。
「満たされた人生」は必ずしも社会的成功とは限りませんが、「すでに満たされている」ところから出発しているため、結果がどうであっても幸福でいられるのです。
逆説的に言えば、欠乏感から「引き寄せたい」と思わないほど、皮肉にも引き寄せられるようになる。
これこそ、「偽りの引き寄せの法則」を超えた、【真の引き寄せの法則】なのです。
しかし、エゴの欲望が深い人たち、ニセモノのスピリチュアルな人たちが、引き寄せの法則を自分たちのエゴの次元にまで堕落させてしまいました。
地球の人間界はエゴのエネルギーがまだまだ強いので、「偽りの引き寄せの法則」が幅をきかせている、というわけですね。
私は現時点で全く無名の人間ではありますが、この仕事一本で10年以上やれているのは、たとえ小さくとも「満たされた人生」を生きているのかもしれません。
そのスタートでありゴールは「感謝の気持ちを抱くこと」ですが、これはテクニックでも法則でもない。
この宇宙とは何なのか、愛とは、信とは、義とは、忠とは、恩とは、誠とは・・・と、宇宙と人生の根源について苦悩しながら問い続けるプロセスにおいて、いつか感謝に満たされる瞬間がやってくるでしょう。
その感謝を根本に据えて生きる態度はすでに「満たされた人生」であり、その波動が宇宙と共鳴するところから、エゴを超えた「真の引き寄せ」が始まります。
これこそ、真のスピリチュアル(マジスピ)なのです。
- 大半の「引き寄せの法則」実践者はエゴの渇望感や欠乏感を動機としているため、たとえ成功しても心から満たされることはない。
- 「満たされないから、引き寄せたい」という欠乏動機(心理学者マズローの5段階欲求説)は、宇宙に対して「私は満たされていない」という波動を発信していることに注意。
- 生きていること、生かされていることに対する「深い感謝」から湧いてくる成長動機が、「満たされた人生」を現象化することになる。