お名前だけで人やモノのオーラ(波動)がわかる、波動カウンセラーの林 昭裕です(「詳しい自己紹介はこちら」)。
【マジスピ】(真のスピリチュアル・脱お花畑スピリチュアル)をテーマに情報発信しています。
今回は、
スピリチュアルの実践について。
悲しみのない世界とは、喜びもない世界。
について考えていきます。
スピリチュアルや宗教の世界を眺めていると、美しくはあるけれども、決して現実的とはいえないスローガンを見かけることがあります。
過去のブログでは、「感謝」や「ポジティブ言葉」の軽薄な実践について述べたことがあります。
例えば以下。
これらは普通の感性を持っている人なら、その実践が「上っ面」なものかどうかわかると思います。
ただ、今回の内容は深く考えないとわからないかもしれません。
もう冒頭で核になる考えを述べていますが、
宗教やスピリチュアルで理想として掲げられる「悲しみのない世界」というのは、あくまで彼岸(永遠)のものであって、決して現実的なものではありません。
それを踏まえることによって、その理想は真に地に足をつけた歩みとなります。
ここを理解することが、「スピリチュアルお花畑」の "ミラクルハッピー" な人種になるかならないかの分岐点と言っていいでしょう。
例えばこのブログを書いている現在、中東での混乱が激しくなっています。
ちょっと前まではヨーロッパ某所での紛争だったのに、もう関心が薄れつつある(本題とは違いますが、これもメディアによるコントロールの影響ですね)。
それを報道で見ると、「どうか世界が平和であってほしい」「悲惨な戦争は二度とあってはならない」という想いが湧き上がるのは、まともな人間なら当然のことです。
これがスピリチュアルや宗教であれば、「世界が愛と光で満たされますように」「この世界から一切の悲しみがなくなりますように」と願うのは、これまた当然のことです。
もっと身近な例でいけば、学校内でのいじめで誰かが自殺するとか、会社でのパワハラで精神を病む人が出るとか、家庭内DVで心身ともに傷つく人が出るとかすれば、やはり「すべての存在に愛がもたらされますように」と願わずにいられないのは、人間として自然な情感です。
もちろん、その想いは私の胸の内にもあります。
ただ、一方で、こんな想いもある。
「生きている限り、この地上が地上である限り、悲しみは決してなくならない」
しかし、
「だからこそ、喜びもまたある」
と。
これまでの人類の歴史を振り返ると、その大半は「戦争」でした。
「平和」とは、現時点では "束の間の安息地" のようなものです。
「平和ボケ」な私たち日本人はあまりそういう認識には立てないかもしれませんが、客観的に眺めれば理解できるはずです。
残念なことですが、「戦争の歴史」は人類全体の魂の根源的変容でも起こらない限り、今後も続きます。
日本にしても、いつお隣の "あの国" が攻め込んでくるか、本当はわからないのです。
いや、政治的、経済的には Silent Invasion(静かなる侵略)といってすでにかなり侵食されているので、実は全く「平和」ではなく、あとは時間の問題でしょう。
だからこそ、まともな人間なら、より強く、より深く「悲しみのない世界」を願うわけですが、実は悲しみと喜びというのは「根っこは一つ」だとを知る必要もある。
例えば、過去のカウンセリングでも聞いた話ですが、うつ病やPTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療に疲れれる向精神薬は、確かに激しい落ち込みやパニックを防ぐ効果はあるものの、同時に気力もなくなり、喜びを感じられなくなるという副作用があります。
情緒が平板になる…大きな落ち込みや怒りもない代わりに、大きな楽しみや喜びもなくなってしまう。
これはやや非日常的かもしれませんので、もっと卑近な例を考えると、ものすごく空腹なときに何か食べれば、すごくおいしく感じられますね。
周囲から攻撃や迫害を受けているとき、たった一人でも味方になってくれると、ものすごく心強く感じる。
失恋のどん底を乗り越えたからこそ、もし次の出逢いがあるとすれば、それはとても豊かなものになるに違いない。
これは、それなりに人生体験を積み重ねた人なら、誰もが感じる「陰陽」なのです。
陰極まれば陽、陽極まれば陰。
その陰陽の幅こそ、魂の大きさを表す。
もし最初から苦労も悲哀も何もない恵まれた運命を与えられたら、「魂の成長」など何もない人間になってしまうでしょう。
ですから、スピリチュアルや宗教が理想とする「悲しみのない世界」は、それが実現できれば確かに美しいけれども、もし本当に実現してしまったとしたら、「喜びもない世界」という、別次元の「暗黒世界」になるに違いない。
ただ、そんな暗黒世界がいつやって来るかを心配する必要など1ミリもないぐらい、今後も戦争や紛争は必ずどこかで起こります…残念ですが。
人類が今の人類である限り、いじめも迫害も誹謗も中傷も、決してなくならない。
最近の報道によれば、「平和」であるはずの日本における不登校やいじめは、報告されているだけでも過去最高件数になったとのこと。
「子どもの社会は大人社会の縮図」であるなら、これのいったいどこが「平和」なのか。
「世界平和」への祈願も空しく、実際はジリジリと地獄へ向かっているのは否定できません。
ちょうどこのブログを書いている日も、長年にわたる不景気にも関わらず、物価高に加え様々な理由をつけて増税するという「国民いじめ」が諮られています。
G7の中で、若者の自殺率が最も高いのは日本ですよ。
これでも本当に「日本は平和」だと、胸を張って言えるのでしょうか。
少なくとも私は、暗澹たる思いが湧いてくる。
もちろん、さっき「悲しみと喜びの根っこは一つだ」と言ったけれども、戦争や暴力やいじめなどを肯定しているのではありませんよ。
できれば、そんなものは1件も起こってほしくない。
けれども、現実的に起こることは避けられないのであれば、そこで生じる悲しみや怒りを受け容れ、乗り越え、ときには戦うというリアルな葛藤と格闘から逃げてはいけない姿勢が、真に平和を願う者のあり方ではないでしょうか。
世界からはまだまだ悲しみはなくならないが、しかしその悲しみや向き合い、乗り越えるからこそ得られる「深い喜び」もまたある、ということを踏まえなければなりません。
この「悲しみとの直面」に立脚しない限り、平和を願うはずのスピリチュアルや宗教は、必ず「お花畑」や「偽善」の臭いが漂ってきます。
そして、「悲しみのない世界」という理想に囚われるがゆえに、表向きは「愛」や「感謝」を謳いながら、実際は「悲しみからの逃避」として、それらの活動へと依存するようになる。
心を深く傷ついているときは、一時的な逃避場所としてのスピリチュアルや宗教はアリです。
でも、いつまで経ってもその状態では、成長はありません。
真のスピリチュアル(マジスピ)や宗教というのは、悲しみを避けるのではなく、むしろそれを「魂の糧」として正面から立ち向かうためにあるのです。
「本当に悲しみのない世界」を願うなら、現実問題として、強くなければならない。
強くなければ、決して守ることなどできない。
そして、例えば現在の中東問題なら、日本人にはなかなか理解できない複雑な歴史および宗教的な背景を知る知的な努力、また扇動的な報道に左右されないメディアリテラシーも必要です。
何もしないで「ただ願い、ただ祈るだけ」なら、無知で弱いままでもいいのです。
日本ではスピリチュアルも宗教も一般的に「なんだかうさん臭い」と思われてしまうのは、これまで述べた「現実性」に欠けているからです。
もしあなたが何らかのスピリチュアルや宗教に学んでいるとして、その学びがあるがゆえに
「この悲しみも苦しみも、未熟な魂を鍛えるために神が与えた "恩寵的試練" なのだ」
と思い定めることができ、そして乗り越えることができたら(たとえ乗り越えなくとも深く受容できたなら)、周囲の人々はあなたに一目を置かずにはいられないでしょう。
そんなスピリチュアル実践者、信仰者が一定数いるとしたら、どうしてスピリチュアルや宗教が「うさん臭いシロモノ」などと思われるでしょうか。
真のスピリチュアル(マジスピ)も真の宗教も、本来は「魂の崇高さ」のためにあります。
だからこそ、「悲しみのない世界」を永遠の理想として掲げつつも、現実的には「悲しみから逃げない」実践をすることが喜びを深める道であり、それが結果的には「悲しみのない世界」への一歩となるわけです。
世界の平和を祈願するのは結構なことだけれども、それと同時に、自分自身の人生における苦悩や悲哀と直面していく勇気がなければ、やはり宙に浮いてしまうのではないでしょうか。
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