お名前だけで人やモノのオーラ(波動)がわかる、波動カウンセラーの林 昭裕です(「詳しい自己紹介はこちら」)。
【マジスピ】(真のスピリチュアル・脱お花畑スピリチュアル)をテーマに情報発信しています。
今回は
「"引き寄せの科学" "願望実現の科学的証明" を学んでも、夢や願望の実現力は高まらない」
ということについて考えていきます。
前回と前々回の音声配信では、「スピリチュアル量子論」について批判的な立場で説明しました。
第246回「引き寄せ × 量子論=お金」はスピリチュアルでも物理学でもないエゴの周波数である。
今回はこれの続きとして、
「スピリチュアル量子論を知っても願望実現には役立たない」
ということをお伝えします。
上の2つの音声配信を簡単におさらいをすると、
・「スピリチュアル量子論者」は、量子論が物理学者によってさまざまな「解釈」が混在していることを棚に上げ、自説に都合の良い解釈しか取り上げない(これまた科学的とは言えない)。
・超一流の科学者、ノーベル賞クラスの科学者の中に「意識は科学ではまだわかっていない。物質ですらまだまだわからないことがあるというのに」と主張していることも両論併記として取り上げるべき。
といったことを述べたのでした。
百歩譲って、そもそも「引き寄せ」や「思考は現実化すること」が科学的に証明されたとして、それは私たちに恩恵をもたらすのでしょうか?
簡単に言えば「すべて思い通りになる」ということですが、これが科学的に証明されるのは果たして「良いこと」なのでしょうか?
個人的にはこれが疑問で仕方がありません。
もし絶対正しい「引き寄せの科学」があるとしたら、社会的・経済的に成功する人間は「法則通りに意識した結果」ということになりますね。
科学的に正しいとは「再現性がある」ということですから。
ところで、あなたは
「自分の人生は万事うまくいっている」
「自分は紛れもない勝ち組、この世の成功者だ」
と言えるでしょうか?
大半の人はきっとそうではないでしょう。
「うまくいかないことの方が多いけど、かろうじて "コレ" だけは何とかなっている」
という方が多いのではないでしょうか。
かろうじて生活はできている、かろうじて仕事はできている、かろうじて家族で慎ましく暮らしている、など。
もし「引き寄せの科学」が絶対正しいのだとすれば、
「全部、自分の責任である」
「全部、自分の思い方・考え方の結果である」
ということになります。
イヤな言い方をすれば、
「オメーはもっと思い通りになる人生だったのに、意識の周波数がブレブレだったから、その程度の結果しか出てねーんだよ。あーもったいない!人生ソンしてるわ!」
ということになるでしょう。
「法則」には例外がないため、「冷たい」「クール」「厳しい」のです(例外があれば法則ではない)。
引き寄せが「法則」で「科学的に証明されている」とすれば「個別の事情」は考慮されません。
例えば生まれた家庭が貧しく十分な教育を受けられない結果として自分も貧困になってしまったとしても、「あなたが貧しいのは、あなたの意識を豊かさの周波数に合わせていないからだ」という「個別の事情(いわゆる親ガチャ)」は考慮されません。
これは「科学は絶対正しい」という前提に立った「すべてが自己責任」「言い訳は1ミリも認められない」というスーパードライな世界なのです。
そこにスピリチュアルでよく言われる「愛」や「赦し」が入る余地はないのですよ。
そこでもし "人生負け組" の人が、「引き寄せの科学」や「スピリチュアル量子論」に感化されて意識のあり方を徹底的に改善したとして、その結果「人生一発逆転」を狙えるものでしょうか。
「スピリチュアル量子論本」ではそういう「一発逆転」の事例がたくさん紹介されます。
30代半ばぐらいまで人生が全くうまくいかなかったのに、意識を変えた結果、仕事もお金も恵まれるようになり、さらに素敵なパートナーと結婚して子どもまで授かった例もあれば、「難病や重病の奇跡的な完治」の例も出されます。
そういう「夢のある話」がたくさん語られるからこそ、「スピリチュアル量子論」は従来の自己啓発のスピリチュアル的バリエーションとして(現時点では)人気があるのでしょう。
ただ、そこで「一生懸命に意識を変えたけど、結局うまくいかなかった」人の例は出てきません。
出すわけがない。
そんなもの出したら「夢がなくなる」し、「本やコンテンツが売れなくなるから」です。
意識を変えることで「成功」した人と意識を変えても「失敗」した人とでは、科学的にどのような「意識の差」があるのでしょうか?
その「意識の差」「周波数の差分」は科学的に数値化できるのでしょうか?
できるわけがないですね。
なぜなら意識は非物質的な存在であり、(ミクロな世界ではあっても)あくまで物質を扱う量子論では捉え切れないからです。
他の科学的研究の例で言えば、開発中の薬をマウスで実験して一定の評価が得られたことだけをもって「人間にも効果がある」と断定して商品化するようなものでしょうか。
マウスと人間は「同じ動物」でも作用機序が違うから人間でも治験する必要があるのに、「マウスで実験したから人間でも大丈夫だもんね!」という独断はもちろん科学ではない。
スピリチュアル量子論は素粒子という「物質の世界」の動きを意識という「非物質の世界」の動きに類推して当てはめているわけだから、さらにタチが悪い。
「意識の秘密が科学的に証明されている」という言説は、科学的に大きく間違っているのではないでしょうか。
百歩譲って、「素粒子の世界を通じて意識の世界が垣間見えてきた」と言うべきでしょう。
そのため、意識を改善する努力、「愛」や「豊かさ」の周波数に合わせる努力をしてもうまくいかなかった人に対し、理性的に納得しうるような科学的な説明を提供できないなら、それは常識的には科学ではなく「オカルト」と言わざるを得ません。
それゆえ「スピリチュアル量子論」は上記のような素朴な科学的思考のできない「頭の弱い人たち」または「欲で目がくらんでいる人たち」に対し、「夢のある幻想・妄想」を植え付けるファンタジー理論ということになる。
「頭が弱い」のは「科学」ではなく「科学教」を信じてしまうところにあります。
引き寄せが本当に科学であるなら、意識のあり方を数値化や数式によって客観的に証明しなければなりません。
昔から言われる
・「笑う門には福来たる」
・「和気財を生ず」
・「一念、岩を通す」
・「断じて行えば鬼神もこれを避く」
・「求めよ、さらば与えられん」
といった「ことわざ」は、先人が積み重ねてきた「体験的事実」から成り立っています。
ただ、笑っても不幸な目に遭うこともあれば、断じて行っても事が成らない場合もある。
それもまたある程度の人生体験を積んだなら、誰でもわかる「体験的事実」ではありませんか。
ただそんなものは「ことわざ」になり得ないので、いちいち言わないだけ。
ずいぶん昔にいただいたご相談で
「死ぬほど好きな韓流アイドルの●●さんと、何とかしてお付き合いしたい」
というのがありました。
どうやら冗談ではなく本気のようでしたが、芸能界にコネクションのない一般人がどれほど求めようと、「さらば開かれる」ということはありません(せいぜいその「彼」に会えるのは、握手会やファンクラブの集いに参加するタイミング程度でしょう)。
それでも「ポジティブな想念の周波数で運命が開けることが "科学的に" 証明されている」と言うのなら、誰かの成功体験を羅列するだけではなく、ぜひとも「科学的事実」として論理的に証明していただきたい。
「意識を変えたら韓流アイドルと結ばれた」という映画のようなシンデレラストーリーも実現できるとうことを、ぜひ科学的にご説明いただきたい。
「意識が変わることによって人生が劇的に変わった」何人かの成功体験を紹介するだけで「科学的」と言うなら、おそらくその何倍、何十倍、いや何百倍何千倍もいるであろう「失敗者」の原因も科学的に分析していただきたい。
その「失敗者」とて、かつては真剣に夢を描いたはずじゃないか。
このように素朴に考えればアラがボロボロ出るシロモノを、ちょっと「科学的な味付け」をされただけでコロッと信じてしまうのは、先ほど述べたように科学ではなく「科学教」を信奉しているからです。
というのも、西洋科学による物質的繁栄に影響をモロに受けている私たちは、「科学は万能なもの」だとどこかで思い込んでいる。
現代では人工知能がますます進歩しているため、有識者の中には「そう遠くないうち、政治や経済における意思決定は人工知能に委ねる時代が来る」とまで言っている人もいます。
この背景にも「科学万能主義」が人類意識の中に潜んでいるわけです。
それに気をつけないと、ちょっと科学的なデコレーションをされただけで安易に信じてしまう。
先のブログではノーベル物理学賞のロジャー・ペンローズの言葉を紹介しました。
彼は
「宇宙の謎を量子論で説明できるのは便利だが、それは同時に危険でもある」
と警鐘を鳴らしています。
「スピリチュアル量子論者」なら有名なペンローズ博士のことは知っているはずですが、この言葉は既読スルーしているのでしょうか。
もし知らなければ、量子論について語っている割に素人だと言わざるを得ない。
もし知っているけど自分に都合の良い論理を意図的に切り取っているのだとしたら、それは科学ではなく政治でありプロパガンダ(宣伝工作)です。
そのような嘘や欺瞞の周波数は、それこそスピリチュアル量子論者である自身の波動(周波数)を「引き下げる」ことにならないでしょうか?
それによって「科学教の信者」や「頭の弱い人たち」を煙に巻くことはできるかもしれませんが、果たしてそれによって自分自身の周波数は本当に「愛」や「豊かさ」に近づけるのでしょうか?
実際、「スピリチュアル量子論」のいろんな書籍の中で、波動の良いものはほとんどありません。
また名前を出すのは控えますが、スピリチュアル量子論者の中にはずいぶん波動(オーラ)の重たい人物も紛れ込んでいます。
「意識の周波数」について力説する人物の肝心の周波数が決して高いと言えないのは、笑えないジョークではありませんか。
それもこれも自分の都合の良い説しか取り上げない「エゴの周波数」が原因なのです。
そういう「低次元の周波数」が多く含まれたスピリチュアル量子論に触れたところで、一時的には希望が持てる人もいるでしょうが、おそらく長続きはしないでしょう。
なぜなら、私たちは本当は心の深いレベルで「人生は必ずしも思い通りにならない」ことを知っているからです。
その一方で「もし思ったり考えたりしていることがすべて実現できたらいいなぁ」という欲望もある。
その欲望を刺激するのが「スピリチュアル量子論」なのでしょう。
なんとか科学(っぽいもの)のお墨付きを得て、「人生は思い通りになるのだ」と信じたい。
私にはこれは占い師に「あなたは半年後に出会いがあるわよ」という "お告げ" を信じるのと大差ないと思います。
私たちは半年後の運命すら予測できないのに、未来がどうなるか不安であるため人によっては占い師の言葉を信じようとする。
そして占い師に「これからいい出会いがあるわよ」と言われたら喜び、「あなたは今後の運命は悲惨ね」と言われたらひどく落胆してしまう。
いずれにしても自分の内側に「信念」がないのです。
自分で自分を支える「魂の力」が欠落しているのです。
夢や願望を抱いても実現しなかったら「コスパが悪い」・・・そんなものは嫌だ。
だからこそ、「自分の外側」に自分を肯定してくれるものが欲しい。
「その願望は必ず実現するのよ」「あなたは幸せになれるのよ」と誰かに言ってほしい。
それが人によっては「占い」だったり「おみくじ」だったり「神頼み」だったり、そして「スピリチュアル量子論」だったりするわけですが、大して変わりません。
「世界最大の権威である科学が言っているんだから大丈夫!」と思いたいところですが、スピリチュアル量子論は本当は当たるも八卦、当たらぬも八卦なのです。
「自己啓発セミナーに参加してテンションが上がるのは最初の3日間だけ」と言われるように、「人生は思い通りになるんだ!」という興奮をずっと保ち続けられるほどピュアな人間はほとんどいないでしょう。
そのうち「引き寄せは科学的に証明されてるって言ってるけど・・・ホントかなぁ・・・」と疑念が沸き起こってくるのが普通の人間です。
だって、そもそも思い通りにならねーのが人生じゃねーかよ。
それでも「思考は現実化する」と科学的に証明されていれば、私たちは安心して頑張ることができるのでしょうか。
もしそうなったとき、きっと「夢を失った世界」がやってくるでしょう。
なぜなら、叶うかどうかわからないけど、大きなリスクもあるけれど、それでもチャレンジしたいと思わせる何かが「夢」だと言われているものだからです。
最初から実現するとわかっている「夢」は、もはや夢の名に値しない。
漫画『ワンピース』のルフィが「オレは海賊王になる男だ!」と初めからわかっていたら、それを夢として思い描くことはないし、あの大人気漫画も生まれていないでしょう。
(そもそも多くの人間が「オレは海賊王になる!」と思ったらどうなるのでしょうか?海賊王のイスは一つしかないのに・・・)
ですから、個人的には引き寄せなど科学的に完全に証明されない方がいいと思っています。
運命はわからないからこそ、私たちは決心次第で誰でも「人生の冒険者」「魂の旅人」となれるのではないでしょうか。
真のスピリチュアル(マジスピ)とは、魂を燃焼させること、祈りを込めて生きること、夢や願いを抱いて一隅を照らす生き方をすることです。
そのプロセスにおいて実現する願いもあれば、志半ばで破れる夢もあるでしょう。
けれども、最も大切なことは「魂の成長・成熟」なわけですから、本質的には夢は叶わなくてもいい、報われなくてもいい、引き寄せが成就しなくてもいいのです。
その一方で「必ずこの夢を実現させるぞ!」「自分にできないことはない!」と意気込むことも大切です。
なぜなら、その意気込みが「魂の成長・成熟」にとって必要な心構えだからです。
その意気込みには「科学のお墨付き」や「占い師の上げ鑑定」など どうでもいい。
夢の実現は誰にも約束されていないけれど、その中で本当に夢を叶える人というのは、周囲から中傷や冷笑を受けつつも決して諦めなかった人です。
「その意識は成功の周波数ですよ」などという後から付け足す説明なんぞ、うるせえバカヤロー。
科学は限られた事象の枠内でしか説明できない。
ですから、本当に夢に向かって生きるには、「スピリチュアル量子論」などという科学を装ったファンタジーなど見向きもせず、「夢は必ずしも実現するとは限らない」というリアルに向き合いつつ、それでも初心を貫くという「非科学的な態度」に立たなければならないのです。
「人の夢」と書いて「儚い」と言うように、夢が壮大であるほど非科学的で不合理なのです。
また「人生は必ずしも思い通りにはならない」という諦めと「絶対に実現させる!」という願いを併せ持つのは矛盾そのものであり、これまた非科学的で不合理です。
そして、世の中には「叶わない夢の方が圧倒的に多い」という事実を見れば、夢は最高に「コスパが悪い」のです。
それゆえ「科学のお墨付きを得たい」などというちっぽけな依存心を手放さなければ、夢に向かうことなど到底できないことを覚えておきましょう。
大切なのは「実現するかしないか」ではない。
「どこまで深く願うのか」そして「どこまで高く歩むか」だけだ。
そして、その歩みを止めたとき、人間は「魂の存在」から「家畜」へと堕する。
これもまた「意識の周波数」が "引き寄せる" ものなのでしょうか。
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